「唐揚げ」は大人から子どもまで大好きな、まさに国民食。お弁当のおかずの定番でもある「唐揚げ」を時間がたってもおいしく食べられるように、画期的な商品を開発した女性が福岡にいる。好きが高じて開発した商品とは?

唐揚げが好き過ぎて…

外はカラッと、なかはジューシーな「唐揚げ」。

「いただきま~す」と、福岡市の食堂でボリューム満点の唐揚げを頰張っているのは、福岡市の会社員、原口水月さん(26)。

原口水月さん:
食べ応えがあって、すっごくおいしいです。めちゃくちゃ幸せです。おいしくて

この記事の画像(13枚)

無類の唐揚げ好きで、これまで福岡県内で食べ歩いた唐揚げの店の数は、100を超えるという。自身のSNSは、唐揚げの投稿のみ。まさに「唐揚げ女子」なのだ。

原口水月さん:
(唐揚げを食べると)体にすごいいい栄養がまわっている気がします。会社が近いのでランチで食べることもあるんですけど、ここで“がっつり”食べられたら、午後からも頑張れます

名刺を拝見すると、なんと肩書は「揚げ物革命 事業部長」。唐揚げが好き過ぎて、何と仕事にまでつなげてしまっていた。

コウダプロ・揚げ物革命事業部 原口水月部長:
「揚げ物界に革命を起こしていく」という意味を込めて、名前を自分で決めさせてもらいました

「唐揚げ界、変わるな」と確信

原口さんが見せてくれたのは「唐揚げをよりおいしく食べたい」と開発した唐揚げ専用のペーパー、その名も「カラッとペーパー」。

この「カラッとペーパー」は、クラフト紙に縦59本、横8本の切り込みが入っているため、紙が立体化し、唐揚げを丸ごと包むことができる。このため、余分な油を吸収してくれるほか、保温効果もある。

コウダプロ・揚げ物革命事業部 原口水月部長:
油を含んでいる食べ物になるので、時間がたつと油がまわる。唐揚げが、べちゃっとなってしまう。お弁当だと味が落ちちゃうのがすごく残念だなと思っていました

原口さんが働いているのは、健康食品や化粧品などの商品開発の会社。アルコール対策サプリを開発する飲みニケーション応援事業など、様々なおもしろい事業を展開している。

この「カラッとペーパー」は、使用する紙の素材や油の吸収率などを研究し、3年かけて完成させた商品だ。

コウダプロ・幸田八州雄社長:
私たちが一番、大事にしているのは、アイデア。「これは面白い。世の中にない」というものがあったら、それを本当に形にして「世に出して行こう」とやっています

唐揚げを30分間、専用ペーパーに包んだものと包んでいないものを食べ比べてみたリポーターは…。

坂本奈都美リポーター:
専用ペーパーに包んだ方は、外はカリっと、なかはジューシーですね。そして、まだ温かくて保温効果も感じられます

コウダプロ・揚げ物革命事業部 原口水月部長:
これがあれば「唐揚げ界、変わるな」って確信を得た。お弁当やお持ち帰りのクオリティーを保つには、この「カラッとペーパー」しか手段はないと思っている

目指すは海外進出

唐揚げに情熱を注ぐ原口さん。「福岡市内で一番大好きな唐揚げを食べられるお店」とランチに訪れたのは、福岡市中央区にある「おむすびリパブリック」。原口さんのオススメが、人気の定食についている塩だれをベースに仕上げた唐揚げだ。

ランチタイムには、唐揚げが食べ放題。さらに金曜日には唐揚げのテイクアウトの詰め放題も行っている。実は原口さん、自身が開発した唐揚げ専用ペーパーの使用を店に直談判。2022年12月から「カラっとペーパー」が導入されている。

「おむすびリパブリック」松本恵里さん:
こんなにも「唐揚げに熱い人」がいるんだと思った。その熱意に押されて(笑)。余分な油を吸っている分、よりおいしく頂けます

コウダプロ・揚げ物革命事業部 原口水月部長:
好きなお店の、揚げたてのおいしい唐揚げが、お家に持ち帰っても、おいしさがキープできるのはうれしいです

現在「カラっとペーパー」は、特許を取得し、福岡県内7店舗で使用されているほか、個人向けにオンラインでも販売。その先に見据えるのは、海外進出だ。

コウダプロ・揚げ物革命事業部 原口水月部長:
アメリカや中国でも、唐揚げ、フライドチキンを食べる文化がありますし、そこのマーケットって日本よりも大きいので、ゆくゆくは国内で広まったら海外でも売っていこうと思います。うちの会社が「世界企業になる」ってことを掲げているが、会社に対しても「からっとペーパー」が、世界企業になる第一歩になればいい

無類の唐揚げ好きが開発したから揚げ専用ペーパー。今後さらに広がりをみせそうだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。