食品ロスを減らそうと、捨てられてしまう食材を原料にクラフトビールをつくる会社を立ち上げた坂本錦一さん。
「もともと食品卸の商社で働いていて、農家さんを訪ねた際に食品ロスの現状を知りました。ちょっと傷があると廃棄になってしまうことを農家で目の当たりにして、すごくショックを受けました」
クラフトビールでフードロス削減
ビールが大好きな坂本さんは2021年、まだ食べられるのに捨てられてしまう食材でクラフトビールをつくる会社「Beer the First」を設立した。
選んだのは廃棄率が高いとされる「パン」。
協力店から売れ残りを無料で回収し、それをペースト状にして麦芽と混ぜる。
麦芽の酵素がでんぷんを糖に変えることで、パンがビールになるのだ。
本来使われる麦芽の20％をパンで代用し、3週間ほど熟成。
フルーティーですっきりとした味わいのビールが完成する。
パンを提供した店員は「これがパンで作られているのか？と思うぐらいしっかりとした味になっています」と話す。
さらに、災害備蓄用のアルファ米やラーメンの麺の切り端を使ったビールも開発。
坂本さんは“ワクワクしながら無駄をなくす”ことを目指している。
「ロス食材を使った商品はちょっと重く受け止められやすいところがありますが、将来的には楽しくフードロスを削減できる取り組みをしていけたらいいと思います」と坂本さんは話した。
株式会社Beer the First
https://beerthefirst.com
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