島根県の観光支援クーポン「しまねっこペイ」の精算をめぐり、県から事業者へ支払いミスが起きていたことがわかった。県は、4月20日、誤って支払った総額が1億円余りにのぼることを明らかにした。

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島根県観光振興課・斎藤卓男課長:
皆さまにご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。1億2,000万円のうち、1億円程度が間違っていた

全体の1億円余りが誤送金

島根県の発表によると、誤った送金があったのは、4月18日の支払い分で、加盟店1,171店のうち、509店分(338件)、支払額全体の8割にあたる1億円余りが、正しく振り込まれていなかった。

県が公表する前日、19日、松江市内の土産物店を経営する男性の口座に、身に覚えのない振り込みがあった。

いちの家・角和幸代表:
島根のクーポン事務局から振り込まれた金額を足したものが84万円。うちが本来受け取るのは、この中の約2万5,000円だけ

「しまねっこペイ」の精算による入金を確認したところ、口座には、4月18日付で複数の振り込みがあった。依頼主はいずれも「しまねっこペイ」の事務局。その額は、あわせて約80万円。

本来受け取る額の30倍を超える額が振り込まれていた。

いちの家・角和幸代表は、「すごくびっくりした。こういう誤送金があると不審に思ってしまい、事業者としても使いにくいので、ミスがないようにしてほしい」と話した。

「しまねっこペイ」誤送金の原因は…

「しまねっこペイ」は、島根県がコロナ禍で打撃を受けた観光業の支援策として実施している、「『ご縁も、美肌も、しまねから。』しまね旅キャンペーン」で発行される電子クーポン。県内の宿泊施設利用者に対し、1泊あたり最大2,000円分が配布される。

クーポンの使用実績はシステムで自動集計され、月に1回から2回、キャンペーンの事務局から振り込まれる仕組みだ。

島根県観光振興課・斎藤卓男課長:
データの抽出条件などを誤って集計を行い、他の事業所に寄せることがあったと聞いている

事務局の業務は、JTB山陰支店など5社で作る事業体に委託されている。ミスが発生した4月18日の支払いでは、1つの事業者に対して、ほかの事業者への支払い分もまとめて振り込まれたケースが相次いだ。

島根県観光振興課・斎藤卓男課長:
今回最大の1,700万円の過払いがあったところについては、この事業者からも問い合わせがあったと聞いている。「見たことのない数字だけど、どういうことか?」と

差額が最も大きかった例では、2万1,000円の支払いに対し、1,700万円余りが振り込まれたという。

支払いミスが発生した原因について、県は、年度末を含む期間が対象の支払いで、事務局の担当者が誤った手順で支払先や支払額のデータを作成したためと説明している。

県は「支払い過ぎ」になった事業者と連絡を取り、返金を依頼する一方、「支払い不足」となった事業者に対しては、差額を支払う。県は、チェック体制を強化し、再発防止を図りたいとしている。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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