鳥取県を代表する温泉地のひとつ、米子市の皆生(かいけ)温泉では、コロナ禍で空スペースになってしまった土地にアメリカ製のキャンピングトレーラーなどを持ち込み、店舗として活用したユニークな飲食店が相次いでオープンした。
アフターコロナを見据え、新しい発想で温泉街を盛り上げる取り組みを取材した。

温泉街に“キャンピングトレーラー”?

米子市の皆生温泉に取材に訪れたJALふるさと応援隊・田邊菜穂さんが目にしたのは、2023年3月、温泉街に登場したアメリカ製のキャンピングトレーラーだ。

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JALふるさと応援隊・田邊菜穂さん:
アメリカとか異国のような感じがします

抜群の存在感を放つこの車、実は「グルメ」を提供しているのだ。

店員:
いらっしゃいませ。ホットドッグいかがでしょうか?

特別に中を見せてもらうと、独自にリフォームしたというキッチンになっていた。

JALふるさと応援隊・田邊菜穂さん:
おすすめは何ですか?

店員:
「チーズドッグ」が一番人気です

JALふるさと応援隊・田邊菜穂さん:
では、セットでお願いします

注文が入ると、たまねぎを炒め、パンにソーセージを挟む。そして、たっぷりのソースとチーズをのせ、バーナーのじか火であぶって仕上げる。
香ばしい香りが漂うと、チーズがとろり。あつあつのホットドッグができ上がった。

JALふるさと応援隊・田邊菜穂さん:
チーズがたっぷりです。チーズがとろとろで、ミートソースがすごく合っていておいしいです

ほかにもユニークなお店が

この店の隣にもキャンピングトレーラーが並ぶ。

「どんぶり」の専門店では、親子丼にからあげ丼など、メニューは週替わり。この日のおすすめは、自家製ハンバーグの「ロコモコ丼」だ。

JALふるさと応援隊・田邊菜穂さん:
お肉がジューシーで「肉感」がすごいのと、ソースはコクもあって、とってもおいしいです

さらに、もう1軒お店が並ぶ。やはり、アメリカンテイストの外観だ。

JALふるさと応援隊・田邊菜穂さん:
ここはトレーラーではなく、コンテナみたいです。見た目は「おでん」っぽくはないですけど、おでん屋さんでしょうか?

グレーに塗られた外観は少々いかついが、つるされた提灯には「おでん」の3文字があった。
3軒目はおでん屋さんだ。屋台のように、カウンターで、あつあつのおでんを食べることができる。

空き地を「遊び心」で再利用

温泉街に突如現れたユニークなグルメスポット。近くで飲食店を営む小田史さんがその仕掛け人だ。

JALふるさと応援隊・田邊菜穂さん:
なぜこのようなユニークなお店をつくったんですか?

小田史さん:
ここには土産物屋さんがあったんですけど、そこが閉められてしまい、関わってくれる人たちと話をしている間に「こういうのやったらおもしろいよね」という話から始まりました

きっかけは「遊び心」だった。
以前、この土地には土産物店があったが、コロナ禍で売り上げが減少し閉店。温泉街にぽっかりと空地ができてしまうのはさびしいと活用を思い立ち、小田さんが所有していたトレーラーを持ち込み、ホットドッグ店としてオープンさせた。

すると、ほかの場所で営業していたどんぶり店がここに移転。さらに、コンテナを運び込んでおでん屋さんに改修し、異なるジャンルの3つの店が揃うことになった。
こうして、トレーラーやコンテナを利用することで、初期費用を抑えながら、見た目にもインパクトが大きいグルメスポットが誕生した。

小田史さん:
出店したいと言ってくれる方もおられますし、店舗が増えたり、イベントなどで使ったりしてもらえたら、さらにおもしろくなるんじゃないかなと思っています

コロナ禍で苦境が続く観光業。アフターコロナを見据え、皆生温泉は遊び心のあるアイデアを生かしたこのユニークな飲食店スポットで「リスタート」。あつあつグルメで街ににぎわいを呼び込む。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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