鳥取市の喫茶店が、豆の仕入れから製造までを一貫して手がける「クラフトチョコレート」づくりに取り組んでいる。自慢のコーヒーとチョコレートで古き良き「喫茶店文化」を守ろうと奮闘するオーナーを取材した。

喫茶店の手作りのチョコレート

JALふるさと応援隊・康優さん:
鳥取市の中心市街地から車で約30分、鳥取市用瀬町にやってきました。この町に、こだわりのチョコレートがあるということで、早速伺います

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鳥取市用瀬町の「燕珈琲」。オーナーは岸本宏那さん。自家焙煎のコーヒーを味わえる喫茶店だ。

康優さんが手に取ったのはチョコレート
康優さんが手に取ったのはチョコレート

JALふるさと応援隊・康優さん:
コーヒー豆がたくさん並ぶ中にチョコレートがあります。こちらも手作りなんですか?

燕珈琲・岸本宏那さん:
そうです。チョコレートも、カカオ豆の焙煎からパッケージまで手作りしている「ビーントゥバーチョコレート」です

カカオ豆を自家焙煎し、手作りのチョコレートも販売している。チョコレートの材料は、発展途上国の原料や品物を適正な価格で取引する「フェアトレード」で仕入れたカカオ豆と砂糖のみ。

豆の仕入れから製造までを一貫して手がける「ビーントゥバーチョコレート」として販売している。

燕珈琲・岸本宏那さん:
ぜひコーヒーと一緒に召し上がってください

JALふるさと応援隊・康優さん:
舌触りが普通のチョコレートと違ってしっかりしていて、甘みもほんのり感じられました

燕珈琲・岸本宏那さん:
すりつぶすところで粒を残して、丸かじりの感覚が欲しかったので。つぶしていないからその舌触りなのかと思う

会社を辞め 喫茶店の経営に専念

サラリーマンをしながら4年前に店を構えた岸本さんは2022年、大きな決断をした。

燕珈琲・岸本宏那さん:
会社員をしながらコーヒーとチョコレートを作っていたが、コーヒー豆の取引が多くなってきたタイミングで、コーヒーとチョコレートを本格的に手がけようと思った

岸本さんは、自家焙煎したコーヒー豆を他の店にも販売しているが、取引量が年々増加。コーヒーとチョコレートを極めようと約1年前に会社を辞め、喫茶店の経営に専念することにした。

岸本さんこだわりのチョコレート。手作業で行うカカオ豆の殻むきを体験した。

JALふるさと応援隊・康優さん:
結構固いです

丁寧に殻をむいた豆は機械ですりつぶすが、今回は特別にすり鉢を使った。

すりつぶすこと20分。固める前のチョコレートが完成。特別に試食させてもらった。

JALふるさと応援隊・康優さん:
じゃりじゃりしたチョコが新鮮。こんなにたくさんの工程があって作られているのを実感しました

手間を惜しまず一枚一枚大切に作っている「ビーントゥーバーチョコレート」。地元はもちろん、県外のファンも増えている。

喫茶店文化 復活へ

さらに、岸本さんにはやりたいことがある。廃れつつある「喫茶店文化」を守る活動だ。

かつて、全国に15万店以上あった喫茶店は、1981年をピークに約30年間で半分以下に減少した。岸本さんは、全国の喫茶店が自慢のコーヒーを振る舞うイベントを地元・用瀬町で開催するなど、その魅力を知ってもらう活動を精力的に続けている。

JALふるさと応援隊・康優さん:
岸本さんのお店にとってチョコレートはどんな存在ですか?

燕珈琲・岸本宏那さん:
コーヒー、チョコレートを通して生まれる会話から、新たなアイデアとか、元気とか生まれるのは「喫茶店文化」のおもしろいところ。チョコレートはコーヒーが飲めない人に向けた武器、きっかけにはなると思っている

こだわりのチョコレートとコーヒーが「喫茶店文化」復活の一翼を担う。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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