2023年、4年ぶりに開かれる那覇ハーリー。新型コロナの影響で中止が続いていた若夏の風物詩の再開を待ち望んでいた男性がいる。600年の歴史を誇る伝統行事にかける思い。先祖代々受け継がれてきたハーリー魂に迫まる。

ゴールデンウィークといえばハーリー

琉球王国時代の伝統行事として県内各地で脈々と受け継がれてきたハーリー。

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毎年5月に開かれる那覇ハーリーでは、「那覇」「泊」「久米」の3つの爬龍船(はりゅうせん)による真剣勝負「本バーリー」が最大の見どころだ。

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
この時期はやっぱりハーリー。僕も小さい頃はゴールデンウィークといえばハーリーで

那覇爬龍船振興会の仲本興平さん。
那覇市泊の出身で、物心ついたときから仲本さんの生活にはハーリーがあった。

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
3日間(ハーリー)会場に遊びに行っていた小さい頃から、ゴールデンウィークであちこち(遊びに)行った記憶がなくて

仲本さんの家系では、先祖代々ハーリーに携わってきた。

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
うちのおじいちゃんの姿も見ましたし、何よりも父親の背中を見てきました。親子関係だけではなく、家族以外の先輩方から教わったことが一番大きいと思います

祖父や父、地域の先輩方の背中に憧れ、中学1年生のときに初めて爬龍船に乗り、以来30年以上にわたってハーリーの振興と継承に魂を燃やしてきた。

しかし…

「2020年 ハーリー開催中止のニュース」

「2021年 ハーリー開催中止のニュース」

「2022年 ハーリー開催3年連続中止のニュース」

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
まさか長い期間中止ということにぶち当たるとは思ってもいなかったので、コロナで中断されて本当に寂しい思いをしてきました

心待ちにしていた伝統行事の再開。
仲本さんたち本バーリーのメンバーは、一般のレースや中学生バーリーの練習をサポートしている。

この日、仲本さんの息子(中1)も見学に訪れた。
今回は乗船しないが、いつか参加してほしいと仲本さんは思っている。

心の中も体も元気に生きがいになっている

本バーリーの練習は夕方から。

熱心に指導する仲本さん。
4年ぶりのハーリーに練習にも熱がこもる。

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
今回、こうやってまたハーリーの鉦(かね)が海に響き渡って本当にうれしく思っています

仲本さんにとって「ハーリー」とは…

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
果たさなければならない使命。僕の生きがいになっているのかなと

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
ハーリーをやっている間はとても元気が出ますし、心の中も体も元気になっていくので、生きがいになっているのかなと思います

長い間待ち望んだハーリー。4年越しの思いと、仲本さんの意気込みは…

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
もちろん泊のチームとしては、しっかり強いところを見せていきたいと、その結果として優勝、王座をまた奪還できれば

那覇爬龍船振興会 仲本興平さん:
それだけではなく、一般のレース、中学生のレースもあるので、安全にしっかり運営できるかが大事だと思いますので、そこもやりつつ祭りを盛り上げていきたい

600年の伝統を誇る那覇ハーリー。文化の継承に魂を燃やす人たちの姿がそこにあった。

(沖縄テレビ)

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