日本を揺るがす連続強盗事件。渡辺祐樹容疑者は、逮捕されるまで、高級リゾートホテルで豪遊生活を続けていたことがわかった。
一方、日本では、渡辺容疑者に現金を運んでいた交際相手の32歳の女の存在も明らかになった。

フィリピン側 一斉送還を目指す方針

全国で相次ぐ強盗事件をめぐり、日本が身柄引き渡しを求めている4人の男。

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きょう正午すぎ、フィリピンのレムリア法相は4人の一斉送還を目指す方針を示した。

フィリピン レムリヤ法相:
日本政府は、4人を全員同時に送還するよう希望している。日本政府の要請に従う

入管施設に収容され、強盗事件の指示役「ルフィ」と見られる、フィリピンマニラの渡辺優樹容疑者。
その豪遊生活の実態と、逮捕時の仰天エピソードが明らかになった。

逮捕される直前、1億2,000万円の賄賂提案

きらびやかな外観が印象的なマニラ首都圏の海沿いに建つ五つ星の高級ホテル。

渡辺容疑者は、カジノもついたこの高級リゾートホテルに長期滞在し、日本の実行役に向けて、犯行の指示を送る拠点としていたとみられている。
マニラ近郊の繁華街では、滞在中の豪遊ぶりが目撃されていた。

(Q.お金はいくら使っていた?)
現地の女性:

3万、4万ペソ(約7万2000から9万6000円)。テキーラばっかり

一昨年4月、渡辺容疑者がフィリピン当局に逮捕されたのも、この高級ホテル滞在中のことだった。
関係者によると、その日、渡辺容疑者はスイートルームで自らの誕生パーティーを開いていた。

踏み込んだ警察官に逮捕される直前には、釈放を求め、5,000万ペソ、約1億2,000万円の賄賂を提案したものの、拒否されたという。

現地でも注目を集めているこの事件。
4人が日本に向け指示を送っていたとみられる収容施設では、きのう警察などによる家宅捜索が行われた。

机の上に並べられたのは、収容者から押収した品々。
35台の携帯電話や2台のパソコンなど、大量の電子機器や現金が押収された。

フィリピンに現金運搬していた32歳の女

そして日本では、新たにフィリピンにいる渡辺容疑者に現金を運んでいた32歳の交際相手の女の存在が明らかになった。

女は3年前、7人の被害者がキャッシュカードを盗まれ、1,000万円以上を引き出された事件に関わったとして、大阪地裁で実刑判決を受けている。

当時の裁判記録などによると、女は2019年3月にフィリピンのマニラで実業家と称する渡辺容疑者と出会い、交際に発展。
2週間後には、日本から持ち出した現金2,000万円をフィリピンに運び、渡部容疑者に渡したという。

その後、女はSNSで犯行グループの受け子などを募集する“リクルート役”や、だまし取った金を回収するなど、国内の元締役を担うようになった。

当時、渡辺容疑者は、フィリピンで36人が拘束され、被害額が35億円に上る特殊詐欺グループのリーダー格だったとみられている。
捜査関係者によると、女は合わせて7回、フィリピンに渡っていて、犯罪で得た金を回収して、フィリピンに運ぶ運搬役となっていた。
その後、特殊詐欺から強盗や窃盗へと手口を変え、フィリピンから指示を送っていたとみられる4人。
日本への強制送還はいつになるのだろうか。

その強制送還の壁となってきた現地での刑事訴訟をめぐり、容疑者3人のうち2人の裁判が明日、1人の裁判があさって行われることが分かった。

レムリア法相は昨日、“3人の裁判は虚偽の告訴”との見方を示していて、棄却されるかどうかが焦点になる。

(Q.週末に送還する可能性は?)
フィリピン レムリア法相:

可能ではあるが、全員を送還するのならば、週末は無理かもしれない。様子を見ましょう

フィリピン司法省の報道官は、明日裁判の取下げの申し立てが行われることを明かした。
日本を揺るがす連続強盗事件。関与が疑われる容疑者4人の日本送還が迫りつつある。

(「イット!」2月1日放送より)