カニのシーズン真っただ中、飛行機で行く日帰りのカニツアーが開催された。使用されたのは、出雲空港から隠岐空港へのチャーター機。お目当ては隠岐の松葉がにで、今回初めて企画された。価格は破格の1万9,000円。驚きのツアーの狙いとは?

「ひとりで全部食べられるかなあ」

ツアー客が夢中になって頬張るのは、1匹500グラム以上、島根・隠岐の島町の港で水揚げされた「松葉がに」。

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まるごと1匹、ゆでがにを味わえるツアー用の特別メニューだ。

ツアー客:
普通のカニよりもっとおいしかった。ひとりで全部食べられるかなあ

ツアー客:
満足感がすごいね

隠岐の島町で松葉がにを満喫するこのツアー、松江市や出雲市などから約60人が参加した。

あっという間 30分でひとっ飛び

ツアー料金は1人1万9,000円と破格の設定。その移動方法は、出雲 - 隠岐空港間で初めて運航されたチャーター便だ。

午前10時すぎ、出雲空港を出発。フェリーでは約2時間半かかる本土 - 隠岐間の行程が、飛行機だとわずか30分。昼食の時間にも余裕を持って間に合った。

さらに、カニのほかにも、隠岐の島町伝統の「牛突き」を楽しむことができる。

ツアー客:
隠岐は泊まらないと行けない印象だったので、こうして日帰りができると思ったし、冬は海が荒れるが、飛行機だと心配がなくて良い

日帰りながら、隠岐での滞在時間は約6時間。飛行機だからこそできるツアーだ。

JAL・宮坂久美子西日本支社長:
お客のニーズにあわせたツアーも様々な形でやって行きたいと思う。人流を生んで、物流・商流につながるような地域貢献を航空会社としてやっていきたい

観光利用を広げる起爆剤に

出雲 - 隠岐間の定期路線は、午前中の1日1往復だけ。2022年度の平均搭乗率は67%と、コロナ禍前の水準に戻ったが、ビジネスや生活路線としての利用が中心だ。

こうした中、今回のツアーは、出雲 - 隠岐路線の観光利用を広げる起爆剤にしようと県内の旅行会社やJALなどが企画。コロナ禍の中、2年越しで実現した。旅行代金1万9,000円という設定も、空港周辺の自治体などでつくる出雲・隠岐両空港の協議会が援助、インパクトのある旅行プランを目指した。

出雲市・飯塚市長:
あっという間に隠岐に着くので、利便性を高めて、今回は日帰りツアーだったが、いろんな展開ができるのかなと

隠岐の島町・池田町長:
念願がかなって、出雲 - 隠岐間のチャーター便が飛んだ。これを今後も続けていきたい。隠岐、出雲の魅力を知っていただきたい

隠岐の新たな魅力発信へ。
協議会は、今後もチャーター便などを含め、出雲 - 隠岐路線の利活用を進めていくことにしている。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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