フジテレビのスポーツニュース番組「S-PARK」では、毎年プロ野球選手100人に独自の調査を行い、打撃や投球など各部門のNo.1を選出してきた。

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2022年も「バットコントロール」「パワーヒッター」「走塁」「守備」「スピードボール」「変化球」の6部門で調査、最終回となる第6弾は「変化球」部門No.1を選ぶ。

【2019年】
1位:P.ジョンソン(阪神):パワーカーブ
2位:山本由伸(オリックス):カットボール
3位:千賀滉大(ソフトバンク):フォーク

【2020年】
1位:菅野智之(巨人):スライダー
2位:L.モイネロ(ソフトバンク):カーブ
3位:千賀滉大(ソフトバンク):フォーク

【2021】
1位:山本由伸(オリックス):フォーク
2位:山本由伸(オリックス):カーブ
3位:千賀滉大(ソフトバンク):フォーク

2021年はオリックス・山本由伸の2球種が1位2位独占という快挙だった。毎年球界を代表するエースたちがしのぎを削ってきたこの部門、はたして2022年はどの投手のどんな球種が選ばれるのか?
 

2022変化球部門・第5位

第5位(6票)は、高卒2年目の中日・髙橋宏斗(20)のスプリットが選ばれた。

「衝撃を受けたといいますか」
(中日・大野雄大投手)

「中日ドラゴンズの髙橋宏斗投手のスプリット」
(ヤクルト・清水 昇投手)

規定投球回に達していないにもかかわらず奪三振数はセ・リーグ第3位。

「真っすぐの軌道とあまり変わらないスプリット。あれを打つのはなかなか難しいのではないかとは思います」
(巨人・中田 翔内野手)

ストレートと同じ軌道をたどるスプリットにセ・リーグ屈指の強打者も脱帽する。
 

2022変化球部門・第5位

同じく第5位(6票)に、昨シーズンのセ・リーグ新人王、広島・栗林良吏(26)のフォークが選ばれた。

「いいときのフォークってめちゃくちゃ落ちてるなって思うので」
(広島・菊池涼介内野手)

「栗林さんのフォークです」
(広島・森下暢仁投手)

広島の守護神・栗林のフォーク。今季も31セーブ、さらに防御率も1点台の1.49。

スリーツーという後がないカウントからでも投げきる制球力に感嘆の声が上がる。

「スリーツーからフォークを投げきれるのがすごい。自信だったり制球だったり変化も素晴らしいので一級品のフォークかなと思います」
(阪神・青柳晃洋投手)

第3位の前に…第7位と9位を発表

第7位(5票)
▼青柳晃洋(阪神)の「ツーシーム」
▼L.モイネロ(ソフトバンク)の「カーブ」

第9位(4票)
▼千賀滉大(ソフトバンク)の「フォーク」
▼山本由伸(オリックス)の「カットボール」
 

2022変化球部門・第3位

第3位(7票)は、オリックスの絶対的エース・山本由伸(24)がランクイン。昨年の1位と2位の球種が票数を分け合う形となり、カーブとフォークが同じ3位となった。

「全部がすごいイメージなんですけど」
(中日・大島洋平外野手)

「全球種めちゃくちゃいいんですけど」
(西武・森 友哉捕手)

「全部なんですけど…フォークかカーブです」
(広島・坂倉将吾捕手)

「由伸のカーブとフォークかな」
(オリックス・山岡泰輔投手)

2年連続MVPへと導いた得意球カーブのスゴさは曲がった後に加速すること。

「グンって曲がるんですよ、本当に。これは(打席に)立ってほしいです。見てほしいです」
「普通曲がったら遅くなるんですけど曲がってから速い。曲がって加速してくるカーブですね」
(中日・大島洋平外野手)

さらにフォークに対してもその球速に驚きの声が上がる。

ロッテ・山口航輝外野手
ロッテ・山口航輝外野手

「あんだけ速いフォークボールっていうのは中々見ることもないです」
(ロッテ・山口航輝外野手)

今年5月には151km/hを計測した超高速フォーク。その威力は打者として相対したロッテのL.マーティンがベンチに戻る山本に声をかえて称えるほどだった。
 

2022変化球部門・第2位

第2位(10票)は、戦力外を経験した苦労人、ソフトバンク・藤井皓哉(26)のフォークが選ばれた。

「久々にあんなフォークを投げるピッチャーを捕ったっていう感覚ですかね」
(ソフトバンク・甲斐拓也捕手)

「あれ(フォーク)どうやって投げているか分からない。1回聞いてみたい」
(日本ハム・上沢直之投手)

「やばいです。千賀さんより落ちています」
(オリックス・宗 佑磨内野手)

今季は55試合に登板し防御率は1点台前半の1.12フォークの被打率は12球団トップ、驚異の.072。NPBに返り咲いた男が抜群の成績を残した。(データ提供:データスタジアム)

見たことない急激な落差を誇る藤井のフォークに虎の強打者も舌を巻く。

「たくさんのフォークを見てきましたけど…」
「(高めの)ボールだと思って見逃したら、ショートバウンドしていて、時が止まりました」
(阪神・大山悠輔内野手)
 

「スプリット」と「フォーク」の違いは?

ここまでスプリットとフォーク。落ちる変化球が4つもランクイン。
ちなみにスプリットとフォークの違いわかるだろうか?

落差が少なく鋭く落ちるのがスプリットで大きく落ちるのがフォークと言われている。

そして第1位もあの投手のフォークボールだった。
 

2022変化球部門・第1位

フォークに多く票が入った2022変化球部門。第1位(21票)に輝いたのは、「令和の怪物」佐々木朗希のフォーク。

「これどうやって打つんだろうって思っています」
(ソフトバンク・周東佑京内野手)

「見たまんまです。当たるわけがないんですよ」
(楽天・西川遥輝外野手)

「高めでもすごい落ちるのは珍しい。見たことがないかなと思います」
(オリックス・山本由伸投手)

「佐々木朗希くんのフォーク」
(日本ハム・伊藤大海投手)

「佐々木朗希のフォーク」
(楽天・島内宏明外野手)

「佐々木朗希いましたね!!」
(ヤクルト・青木宣親外野手)
 

佐々木のフォークに関するデータを見てみると、空振り奪取率は10%を超えると優秀と言われる中、驚異の29.4%。何故ここまで空振りを取れるのか。

「僕のは、あそこまでスピードが出ないので、スピードがある中で落差があるっていうのはやっぱりインパクトが強いなと思います」

「ストライクゾーンの中で変化させられるので、今までストライクゾーンの中で“縦”で変化できるピッチャーってあまりいなかったと思う。バッターもすごい嫌だろうなと思って見てました」

この部門で'16と'17年に2度、No.1になった“お化けフォーク”の使い手、ソフトバンク千賀滉大投手はこう分析する。

「ストライクゾーンで空振りを取れる」ことについては、セ・リーグを代表する左腕、DeNA・今永昇太投手もこう語っている。

「プロのバッターがストライクからストライクの変化に(バットが)当たらないというのは本当にすごい」

フォークはストライクゾーンから低めのボールゾーンに落として空振りを取るのが一般的ですが、佐々木のフォークはストライクゾーンからストライクゾーンで空振りが取れる。これが一流投手たちが驚く理由だ。

No.1は予想外「変化球に関してはまさかという気持ち」

“スピードボール部門No.1”に続き、“変化球部門No.1”の称号が刻まれた盾も受け取った佐々木朗希投手。

「変化球に関してはまさかという気持ちが大きかったので嬉しいです」と予想していなかったNo.1に喜びもひとしおといった様子。

今季の「カウント別フォーク投球割合」を見ると、0または1ストライク時は25.4%(NPB平均6.9%)で2ストライク時は52.0%(NPB平均14.1%)だった佐々木投手に、「フォークという球種は自身にとってどのような球種か?」と聞くと――。

「他の変化球がイマイチだったので、フォークに頼ってしまったんですけど、今年1年フォークのおかげでここまで抑えられたなと思っています」とフォークへの絶大なる信頼感を語った。
 

ここで番組の佐久間みなみキャスターから変化Qが飛び出す。

佐久間キャスター:
千賀投手は“お化けフォーク”と呼ばれていますが、ご自身で名前を付けるとしたら何かありますか?

佐々木朗希投手:
逆に決めてもらっていいですか(笑)

佐久間キャスター:
ネーミングセンスが無いんですけど…「銀河フォーク」とかいかがでしょうか?
地球を超えてという…

佐々木朗希投手:
いいと思います(笑)

「令和の怪物」佐々木朗希。今後も“銀河フォーク”から目が離せない。

最後に…第11位と16位を発表

第11位(2票)
▼山岡泰輔(オリックス)の「スライダー」
▼湯浅京己(阪神)の「フォーク」
▼青柳晃洋(阪神)の「スライダー」
▼高梨雄平(巨人)の「スライダー」
▼大野雄大(中日)の「ツーシーム」

第16位(1票)
▼山岡泰輔(オリックス)の「カットボール」
▼嘉弥真新也(ソフトバンク)の「スライダー」
▼石川柊太(ソフトバンク)の「パワーカーブ」
▼松井裕樹(楽天)の「スライダー」と「フォーク」
▼東條大樹(ロッテ)の「スライダー」
▼小島和哉(ロッテ)の「チェンジアップ」
▼小野 郁(ロッテ)の「カーブ」
▼伊藤大海(日本ハム)の「スローカーブ」
▼濵口遥大(DeNA)の「チェンジアップ」
▼田中健二朗(DeNA)の「カーブ」
▼今永昇太(DeNA)の「カットボール」
▼西 純矢(阪神)の「フォーク」
▼戸郷翔征(巨人)の「フォーク」
▼大勢(巨人)の「フォーク」
▼森下暢仁(広島)の「カーブ」
▼大瀬良大地(広島)の「カットボール」
▼栗林良吏(広島)の「カーブ」
▼柳 裕也(中日)の「スライダー」
▼小笠原慎之介の「カーブ」

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