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フジテレビのスポーツニュース番組「S-PARK」では、毎年プロ野球選手100人に独自の調査を行い、打撃や投球など各部門のNo.1を選出してきた。

2022年も「バットコントロール」「パワーヒッター」「走塁」「守備」「スピードボール」「変化球」の6部門で調査、第5弾は華麗なプレーでファンを魅了する「スピードボール」部門No.1を選ぶ。

2021年はロッテ・佐々木朗希とオリックス・山本由伸の2人が4位(8票)、T.ビエイラ(巨人)が3位(12票)、千賀滉大(ソフトバンク)が2位(14票)、R.スアレス(阪神)が33票を獲得してNO.1に輝いた。

いまや球速が150km/hを超えるスピードボールは珍しくなくなった現代の日本プロ野球界。その中でプロの選手たち自身が選ぶ“真の剛速球”ピッチャーは誰なのか?
 

2022スピードボール部門・第5位

第5位(4票)は、このオフ、メジャーリーグ挑戦を宣言した阪神・藤浪晋太郎(28)。

「やばいです。えげつない球投げてます」
(阪神・湯浅京己投手)

「あんな速い球見たことなかった。人生で1番速かった」
(中日・木下拓哉捕手)

「晋太郎がスピードでは1番かなと思いますね」
(阪神・青柳晃洋投手)

今季最速は160km/h。
藤浪と対戦したバッターが錯覚を起こすのはマウンドまでの距離感。

中日・岡林勇希外野手
中日・岡林勇希外野手

「マウンドが近くなるくらい身長が高いですし、本当に(マウンドまで)18mあるのかなくらい近い状態で160km/h近いボールを投げられたので強烈でした」
(中日・岡林勇希外野手)

197センチの長身と、両腕を広げると208センチというリーチの長い腕から繰り出される強烈なストレートで2年ぶりのランクインとなった。
 

第4位の前に…第6位~12位を発表

第6位(3票)
▼大勢(巨人)
▼Y.ロドリゲス、髙橋宏斗(中日)

第9位(2票)
▼L.モイネロ、千賀滉大(ソフトバンク)
▼R.コルニエル(広島)

第12位(1票)
▼J.ワゲスパック、山本由伸(オリックス)
▼和田 毅(ソフトバンク)
▼高橋奎二、木澤尚文(ヤクルト)
▼E.エスコバー、入江大生(DeNA)
▼湯浅京己(阪神)
 

2022スピードボール部門・第4位

第4位(5票)は、その藤浪を上回る高身長を誇るロッテの新助っ人T.ゲレーロ(31)。プロ野球界ダントツNo.1の身長は206センチと藤浪を10センチ近く上回る。

「マジで速いっす。やばいっす。デカイ」
楽天・松井裕樹投手

「角度もあって投げた瞬間、ボールが目の前まで来ている感じ」
西武・源田壮亮内野手

「ゲレーロ投手です」
ロッテ・松川虎生捕手

今季最速は163km/h。
今年3月25日、楽天生命パークでの今季開幕戦となる楽天戦で来日初登板。するとそのデビュー戦でいきなり161km/hをマークした。

それもそのはず、ゲレーロはメジャーリーグのマイアミ・マーリンズに所属していた4年前の2018年に104マイル、約167km/hを記録したピッチャー。

ベンチも窮屈そうなその大きな体、その名もタイロン・ゲレーロ!
 

2022スピードボール部門・第3位

第3位(6票)は、2年前のこの部門のチャンピオン、昨年は惜しくもランクインを逃した西武・平良海馬(23)が返り咲いた。

「圧倒しているという感じが試合を見ていてもわかるので」
(西武・水上由伸投手)

「クイックですし、本当に速い。全てが速いです」
(オリックス・吉田正尚外野手)

今季最速は160km/h。
173センチと決して大柄ではない平良の投球フォームの特徴は「クイックモーション」。通常、投球動作を小さく素早くすることで盗塁を防ぐための投法だが、平良の場合はランナーがいてもいなくても常にクイックモーションで投げる。

今年のバットコントロール部門NO.1の打者がこう表現している。

日本ハム・松本剛外野手
日本ハム・松本剛外野手

「ミサイルのような球が飛んでくるので、本当に投げているのかなと思うくらい。ポーンと出てきます」
(日本ハム・松本剛外野手)
 

2022スピードボール部門・第2位

第2位(8票)は、ついにクローザーがランクイン。今季初めてセーブ王に輝いた中日の守護神R.マルティネス(26)

「もう打てないです。スピードと角度を兼ね備えているので」
(ヤクルト・塩見泰隆外野手)

「彼は今年のセーブ王ですからね」
(DeNA・山﨑康晃投手)
 

▼2022年NPB抑え投手・ストレート平均球速ランキング(データ提供:データスタジアム)
1位:154.2km/h R.マルティネス(中日)
2位:153.2km/h R.オスナ(ロッテ)
3位:153.1km/h  大勢(巨人)   
4位:152.4km/h L.モイネロ(ソフトバンク)   
5位:151.1km/h S.マクガフ(ヤクルト)
※10セーブ以上の投手対象
※救援時の投球のみを対象

今季最速160km/h。
抑え投手の平均球速では12球団No.1を誇る154.2km/h。中日ドラゴンズに入団した当初は最高球速が約150km/hの育成選手だったが、そこから5年で球速を10km/h近く上げ、今や球団最速記録(161km/h)の保持者となった。

身長193センチの長身から投げ下ろす角度のある速球を打ち返すのは至難の業。今季は56試合に登板して防御率は0点台の0.97でセ・リーグ1位の37セーブ。チームに欠かせない守護神へと成長した。
 

2022スピードボール部門・第1位

第1位(54票)は、令和の怪物・ロッテの佐々木朗希(21)が初の受賞。今季、プロ通算わずか14試合目で完全試合を成し遂げた。

「わかっていても打てない」
(阪神・近本光司外野手)

「なんて言ったって速いんで」
(楽天・西川遥輝外野手)

「吹き上がるっていうか」
(オリックス・山岡泰輔投手)

「投げた瞬間に振らないと間に合わないと思いましたね、打席立ってみて」
(ソフトバンク・周東佑京外野手)

「早めにメジャー行ってもろて。フフフフ」
(オリックス・杉本裕太郎外野手)

「佐々木朗希くん」
(日本ハム・伊藤大海投手)
 

▼スピードボール部門・歴代No.1 獲得票数TOP5
1位:66票 大谷翔平(2016)  
2位:54票 佐々木朗希(2022)大谷翔平(2015) 
4位:44票 大谷翔平(2014)
5位:38票 マシソン(2013)

スピードボール部門歴代2位タイの54票。過半数を占めトップに立ったのは大谷翔平以来の快挙となった。

▼2022年NPB先発投手・ストレート平均球速ランキング(データ提供:データスタジアム)
1位:158.3km/h 佐々木朗希(ロッテ)  
2位:154.4km/h 千賀滉大(ソフトバンク)
3位:153.9km/h 藤浪晋太郎(阪神)  
4位:152.1km/h J.ワゲスパック(オリックス) 
5位:151.9km/h 山本由伸(オリックス)   
※先発で50投球回以上の投手を対象
※先発時の投球のみを対象

今季最速164km/h。
先発投手にも関わらず、192センチの長身から繰り出される剛速球の平均球速は全ピッチャーの中でトップ。驚異の「158.3km/h」と各球団のエースたちも絶賛の嵐。

ソフトバンク・千賀滉大投手
ソフトバンク・千賀滉大投手

「僕は振り絞ってそのスピードなんですけど、彼は多分振り絞らなくてもそれが出る」
(ソフトバンク・千賀滉大投手)

オリックス・山本由伸投手
オリックス・山本由伸投手

「見ていてワクワクというか。レベルが上がってきているなと感じますね」
(オリックス・山本由伸投手)

DeNA・今永昇太投手
DeNA・今永昇太投手

「調子よくない試合でも150km/h後半を投げるというのがピッチャーとしての一番最高峰じゃないかなと」
(DeNA・今永昇太投手)
 

▼2022年MLB先発投手・ストレート平均球速ランキング
1位:159.2km/h H.グリーン(レッズ)     
2位:159.2km/h J.デグロム(メッツ)   
    158.3km/h 佐々木朗希(ロッテ)    
3位:158.0km/h S.ストライダー(ブレーブス) 
―――――――――――――――――――――――
10位:156.5km/h 大谷翔平(エンゼルス)  

その最高峰のストレートは日本国内だけにとどまらない。今季のメジャーリーグ先発ピッチャー平均球速ランキングに佐々木を入れると、なんとH.グリーン、J.デグロムに次ぐ“第3位”に相当する。世界にも全く引けを取らない最強の武器なのだ。

今年最高のスピードボールは「西武・中村剛也選手に投げた時」

“スピードボール部門No.1”の称号が刻まれた盾を受け取り「自分の中で1番自信のあるボールなので評価してもらえてうれしい」と喜びを語った佐々木朗希投手。

“今季のベストスピードボール”を本人に聞くと、プロ通算本塁打454本の“長距離砲”と対戦した時を選んだ。

「今年4月3日、西武戦で中村剛也さんに投げた時の真っすぐ。第3打席目くらいかな」

「自分から投げた時の見え方だったり、コントロールと質もよかったなと思います」

そして、気になるあの質問をぶつけてみた。

――今季最速で164km/hだが、それ以上出したいという気持ちはあるか?

「出したいとかはないですけど、ちゃんとトレーニングしていけば出そうとしなくても出るとは思います」

――どれくらい出せる?
「それはわかんないです(笑)」
 

ロッテ・佐々木朗希
ロッテ・佐々木朗希

とどまることを知らない21歳は、今後どのような景色を見せてくれるのか?
まさに規格外!さらなる進化を遂げた“令和の怪物”のスピードボールが今から待ちきれない。

S-PARK恒例の「プロ野球100人分の1位」企画。12月4日(日)は、第6弾「変化球」No.1を決定する。

「S-PARK」
12月4日(日)よる11時15分から
プロ野球SP企画「100人分の1位・変化球編」

「中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2022 おかげ様で40周年!珍プレーよ永遠に…SP」
12月11日(日)よる7時~ 3時間放送