寒さが本格化する中、人を悩ませるのが「乾燥肌」だ。毎年繰り返される人も多いこの症状。なぜ肌が乾燥するか?そのメカニズムや対策を探った。

放置すると感染症の危険も

まずは肌が乾燥するメカニズムについて。気温が低くなると、血行が悪くなり、皮脂や汗の分泌が減少する。すると皮膚の表面を覆う皮脂膜のバリア機能が失われ、細胞内にある水分が蒸発することで、肌が乾燥するという仕組みだ。

皮脂膜のバリア機能が壊れてしまっている
皮脂膜のバリア機能が壊れてしまっている
この記事の画像(7枚)

また加齢も大きな要因の一つ。皮脂や汗の分泌が減るためだ。

この乾燥肌を放置するどうなるのか?福井市の石黒皮膚科クリニック、石黒和守院長に聞いた。

石黒和守医師:
どんどんバリア機能が壊れ、ダニなどアレルギー物質が入ると炎症を起こる。するとかゆくなり、湿疹になる。最悪の場合、ばい菌が入り感染症を引き起こす可能性もある

乾燥肌予防の新常識「汗活」

肌の乾燥予防が大切になるが、ポイントの一つは入浴時にある。

石黒和守医師:
保湿がすごく大事。お風呂から上がって3分くらいで保湿剤を全身に塗るのがいい。手っ取り早いのは、お風呂場に軟こうセットを置いておく

入浴時には、保湿剤が入った入浴剤を使うと良い。身体に保湿成分が浸透するため、風呂あがりの保湿ケアの手間が省ける。そのほか「熱いお湯は乾燥するため、ぬるま湯を使用する」「体を洗うときはせっけんを泡立てて手で洗う」などを注意するといいという。

さらに、生活習慣の見直しによって乾燥肌を防ぐことができるようになる。その名も「汗活」だ。汗活とは良い汗をかくような活動をすることを指す。良い汗とは、急激にかくザラザラした汗ではなく、「ゆっくりかいたさらっとした汗」を指す。さらっとした汗を流すには、ヨガやウォーキングがオススメだ。

石黒和守医師:
汗がかけるようになると、少しずつバリア機能が回復する。生活習慣に合わせて、無理せず続けることが大切。汗を味方に

さらに乾燥肌の正しいケアをしなければ、加齢とともにシワが出る恐れが高まる。

石黒和守医師:
保湿は大事ですし、紫外線対策・UVケアもしないとシワになる

紫外線は夏だけでなく年中降り注いでいるため、UVケアは1年中必要だという。保湿に加えて、UVケアも忘れずに。

石黒和守医師:
かゆみがでてきたら炎症があるということなので、近くの皮膚科で正しい診断をしてもらい治療してください。早く炎症を治めないと炎症後の色素沈着が起きたり、感染症を発症するので早いうちに治したほうがいい

(福井テレビ)

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。