2012年にアメリカ東部・コネティカット州のサンディフック小学校でおきた銃乱射事件を「やらせ」だと主張していたアレックス・ジョーンズ氏に対し、コネティカット州の陪審は10月12日(水)、遺族らの名誉を傷つけたとして約9億6500万ドルの損害賠償を命じた。

【動画はこちら】

事件で6歳の娘を失った父親のロビー・パーカーさんは、裁判について「真実を証言することがこれほど難しく、恐ろしいことであってはならない。ジョーンズ氏はこの裁判中もウソをつき続けた」 と話した。

この記事の画像(6枚)

銃乱射事件は、2012年にコネティカット州ニュータウンで起きた。当時20歳の男が、サンディフック小学校に侵入し銃を乱射。まだ幼い小学1年生20人と大人6人が死亡し、男はその場で自殺した。

保守派ラジオ番組の司会者で陰謀論を唱えるアレックス・ジョーンズ氏(48)は、自分の番組でサンディフック小学校の事件は、銃規制を強化するためのやらせだという虚偽の主張を繰り返し、犠牲になった子供たちの親は、メディア用に俳優が演じているものだと侮辱していた。ジョーズン氏は番組で「古典的な演技の訓練のように、笑っているところに『生放送だ』と伝えると突然泣きだす」と説明していた。

犠牲になった子供や教職員8人の遺族と、事件の捜査を行ったFBI連邦捜査局の捜査官は、こうした侮辱に加え、ジョーンズ氏の支持者から嫌がらせや脅迫を受け続けているとし、ジョーンズ氏を名誉毀損で訴えた。

事件で6歳の娘を失ったパーカーさんは、裁判で「私がやらせを行った人間と信じ込んで憎悪をぶつけてきた」と述べ、路上でののしられたと証言した。遺族の弁護士は、ジョーンズ氏が利益のために虚偽の発言を続けていると非難した。

12日、コネチカット州の陪審は、遺族らへの誹謗中傷による名誉毀損と精神的苦痛に対する損害賠償としてジョーンズ氏に9億6500万ドルの支払いを命じた。ジョーンズ氏は、他の遺族からも名誉棄損で訴えられており、損害賠償が支払えないとして破産を申請している。

しかし、遺族の弁護士によると、ジョーンズ氏は資産を隠すために6200万ドルを口座から動かしていたという。犠牲者の遺族は「真実が認められた。他人の痛みやトラウマで金儲けをした、その代償を支払うことになる」と語った。

ジョーンズ氏はこの裁判のためコネティカット州に移動するのにプライベートジェットを使い、宿泊にはプールとテニスコート付きの家を借りたという。一方で破産していて支払い能力がないと主張し、自身の番組では支持者に大量の寄付を送るよう呼びかけている。

(FCIニューヨーク「FCI News Catch!」)  

FCI News Catch!
FCI News Catch!

日本からのニュースもアメリカの情報も丸わかり!ニュース情報番組
Fujisankei Communications Int'l., Inc.(FCI) では、毎週 月~金曜日、アメリカ在住の皆さまにフジテレビの最新ニュースとアメリカで役立つ情報満載のテレビ番組「FCI News Catch! 」を全米に向け放送しています! 番組は、無料で地上デジタルやケーブルサービス等でご覧いただけます。