アラスカ航空で旅客機に搭乗していた非番のパイロットが、飛行中にエンジンを停止させ墜落させようとした事件で、訴追されたパイロットが10月24日、裁判所に出廷した。
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旅客機を飛行中に墜落させようとしたアラスカ航空のパイロット、ジョゼフ・エマーソン容疑者(44)は乗客乗員83人に対し、83件の殺人未遂などの罪で訴追され、罪状認否のためオレゴン州の裁判所に出廷した。
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エマーソン容疑者は事件の48時間前に、向精神作用がある「マジックマッシュルーム」と呼ばれる幻覚キノコの薬物を服用したと証言。その後およそ40時間眠れず、神経がおかしくなっていたと供述しているという。
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10月22日、エマーソン容疑者はワシントン州エベレットからサンフランシスコに向かう飛行機に搭乗した。 この日、非番だったエマーソン容疑者は次の担当フライトの出発地サンフランシスコに移動するため、操縦室の補助席に座っていたという。
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パイロットが操縦室でエマーソン容疑者と会話をしていたが、突然装着していたヘッドセットを投げ飛ばし「もうだめだ」と叫んだという。そしてエンジンへの燃料を止める緊急用の消火レバーを引こうとしたが、パイロットの1人が止めに入りエマーソン容疑者ともみあいになった。
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もし消火装置が作動していたら、旅客機のエンジンは停止し墜落する恐れがあったという。
エマーソン容疑者はその後、自らコックピットを出て客室乗務員に「私に手錠をはめてくれ、そうでないと大変なことが起きる」と伝えたという。容疑者は手を結束バンドで縛られて旅客機の一番後ろの席に座らされ、緊急着陸したオレゴン州ポートランドの警察に逮捕された。
エマーソン容疑者は航空会社におよそ20年勤務しており、これまで勤務態度などに問題は報告されていない。
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警察の事情聴取では、半年ほど前からうつ状態に悩まされ、幻覚キノコを服用したのは今回が初めてだったと話しているという。
あわや大惨事になりかねなかったこの事件。パイロットの素早く機転の効いた行動が、乗客の命を救ったと賞賛されている。
一方、エマーソン容疑者はFAA・連邦航空局の健康診断を9月に受けているが、その際にうつ病の症状に悩んでいたことがなぜ明らかにできなかったのか、今後解明していく必要があるようだ。