2022年7月10日に投票が行われた参議院選挙。
OHK(岡山放送)がネット配信した当日の開票速報番組では、「バリアフリーな社会」をテーマに、各界からゲストを招いた。

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聴覚障害者の中西厚美さんと庄田正子さんは、「障害者からみた参院選」を語った。
政治に参加する「参政権」は、国民に平等に与えられているはずだが、障害者2人の話からは決して平等とは言えない現状が見えてきた。

立候補者が何を言っているかわからない 届かない選挙活動

ーーー投票には行きましたか?
中西さん:

私は期日前投票に1人で行った

庄田さん:
私は、実は行っていない。なぜかというと、立候補者が何を言っているのかわからないから。誰でもいいから投票するというのはいけないと思う。きちっと内容を理解して投票したいと思うので行っていない

ーーー選挙戦を通して感じたことは?
中西さん:

政党によっては手話通訳を準備していない所がある。何故なのか知りたい
(注:政見放送では手話通訳に対し公費負担があるが、街頭演説では候補者側が負担)

中西さん:
候補者の訴えは色々だが、どれが正しいのかよくわからない。
ただ今回、(自民党・岡山選挙区の)小野田(紀美)さんが面白いことを言っていて、「他の党からの推薦はなくてもいい」みたいなことを言っていて、面白いなと思った。当選しなくてもいいという覚悟を持っていたのかなと。自分の考え方をハッキリ言うのはとてもいいことだと思う

庄田さん:
中西さんの話を聞いていて、「手話がついていたらそれも理解できたのにな…」と今思った

中西さん:
今、選挙速報をしていて、小野田さんが当選して何か喋っているが、そこには字幕が付いていない。何を言っているのかわからない。記者会見でも手話通訳者が立っているが、テレビの画角には映らない

要望に対しアクションを

ーーー障害者が投票に参加しやすくするために必要なことは?
中西さん:

障害者団体は普段から行政や政治家の方々に要望を出している。だから障害者の立場を理解していない訳ではないと思う

庄田さん:
障害者には色んな不便があり、情報が足りないので、政党にお願いに行く。要望を動きに変えてほしい。
ーーー動いてくれれば投票しようと思う?
動いていただければ、信頼関係も生まれて、投票するのではないか

(岡山放送)

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