よく眠れると話題の乳酸菌飲料が大ヒットしたり、立ったまま休む「仮眠ボックス」が登場したり、「睡眠」に関心が集まっている現在。
(参考記事:立ったまま休める「仮眠ボックス」を開発!? 背景には職場での“休憩しにくい問題”…縦型にした狙いを開発企業に聞いた)
厚労省のe-ヘルスネットによると、「日本人、特に子供たちや就労者の睡眠時間は世界で最も短いと言われている」そうだ。そんな中、スマホを触りながら眠る新機軸のアプリが登場した。
この記事の画像(7枚)「さわって眠れる睡眠アプリ」を正式リリース
ネットサービスを手掛けるギジン株式会社(宮城・仙台市)は8月3日、「さわって眠れる睡眠アプリ - 睡眠観測」を公開した。1年前に無料体験版をリリースしていたが、新たに、使い勝手を向上させコンテンツを拡充した正式版となる。
アプリは眠るときに使用。星空などが全面に表示された状態でスマホ画面に触り、落ち着く音楽を聞きながら特定の効果音が鳴ったら指で画面をなでると「観測数」というポイントが加算される。
こうして目を閉じて使っているうちに眠りに落ちると、アプリはカウントダウンを始め、ゼロになると一時停止。 「観測数」が入眠潜時(ベッドに入ってから寝付くまでの時間)をどのように過ごしたかの目安のひとつになり、 また眠りにつくまでの時間や眠っていた時間の記録もできるので、日々の睡眠を振り返ることに役立つそうだ。
画面のテーマや音楽、効果音の組み合わせは900万通りを超え、どれを使おうか考えることも、眠る楽しみにつながるという。
リリースによると、このアプリはスマホをさわっているときが一番落ち着く人や、スマホを手放すと落ち着かない人など、寝る時もスマホを手放せないデジタルネイティブにおすすめだとしている。
ユーザーから「ぐっすり眠れる」との声も
スマホを触りながら眠るとはあまり聞いたことがないが、どこから着想を得たのだろうか?また睡眠をサポートするアプリは他にもあるが、どのような違いがあるのだろうか?
担当者に聞いてみた。
――このアプリ開発のきっかけは?
もともと開発者が不眠で悩んでいて、様々な睡眠アプリを試していました。音楽や朗読を聴くアプリは、目新しいうちは良いのですが、すぐに慣れてしまいました。他にも、睡眠を追跡して目覚めやすい時間に起こしてくれるアプリは、目覚めやすくはなりましたが、なかなか寝付けない問題は改善しませんでした。自分がほしいのは、なかなか寝付けない、苦しい時間から逃れられるアプリだったので、何とか出来ないかと考え始めたことがきっかけです。
――本当に寝付きが良くなるの?
開発者にとって「スマホをさわって眠る」方法が合っていて寝付きが良くなりましたが、他の人に合うかどうかがわからなかったので、アプリの無料体験版をリリースしたところ、広告宣伝をせずに1年間ダウンロード数が伸び続け、3500人以上の方に使っていただきました。実際に寝付きが良くなったという声のフィードバックも頂いたことで、私以外にも寝付きが良くなった人がいる、という確信を得ました。
――アプリユーザーからは、どんな声が寄せられている?
今のところ、さわって眠る方法が合う方には、しっかり眠れている・ぐっすり眠れる・魂吸い取られたんか?となるくらい寝れますという表現で、高評価を頂いています。
――他のアプリと比べて優れているところは?
「ベッドに入った後なかなか寝付けなくて苦しい」という課題の解決に特化しています。音楽を流しているだけだと主に耳を使って意識を向けますが、これだけでは意識が散漫になりやすく頭のなかで別のことを考えがちになり、結果として音を聴くだけでは寝付きが改善しない場合があります。
これに「音がなったときに指でなでる」という動作にも意識を向けるようにすると、頭のなかで別のことを考えにくくなり、結果として寝付きが良くなります。マインドフルネスでは過去や未来ではなく「今ここ」に意識を向けることで落ち着きを取り戻しますが、睡眠観測ではスマホのゲーム性を活用して、能動的に「今ここ」に注意を向けるサポートをする唯一の睡眠アプリです。
――最後に、睡眠に困っている人へのメッセージをお願い!
私は中学生の頃から寝付きが悪く、暗い部屋で目を閉じると今日の後悔や明日の心配で頭がいっぱいになり、なかなか眠ることが出来ませんでした。今回、さわって眠れる睡眠アプリを開発できたことで、毎晩ベッドに行くときの憂鬱な気持ち、なかなか寝付けずに苦しむのではないかという心配から解放され、眠るのが楽しみになりました。
いま睡眠で困っている方、いろんな方法を試してみたけど合わなかったという方に是非、この新しい「さわって眠る」方法を試してみてください。ひとりでも多くの方が、なかなか寝付けない苦しみから解放され、快適に眠れることを願っています。
なお正式版の価格は、iOS(610円)、Android(600円)となる。
開発者は、会議や歯医者などの緊張する場所ではスマホを触ると気持ちが落ち着いたという。たしかに、画面を見ないで使うのであれば目が冴えることはないだろう。睡眠で悩んでいる人は、まずは無料版から試してみるのもいいかもしれない。