暑さで寝苦しい夜、エアコンを朝までつけっぱなしにしたい…。しかし電気代がかかるというイメージから、ためらっている人もいるのではないだろうか?
パナソニックが7月、20~60代の男女550人を対象に実施した調査でも、エアコンを「一晩中つけっぱなし」にしない理由で最も多かったのは、「電気代がかかるから」(34%)だった。
こうした中、「つけっぱなしは電気代がかかる」というイメージを覆す試験結果をパナソニックが公表した。
パナソニックが試験したところ(同社のエアコン「エオリア」ユーザーの実際の利用状況から検証)、睡眠時にエアコンを「朝までつけっぱなし」にしたときの電気代は「約23円」であることが分かった。
パナソニックによると、午後8時以降に冷房をつけているエアコンのデータから、1時間当たりの消費電力を算出したところ、平均92ワットで8時間使用した場合は「約23円」の計算になった(電気料金目安単価31円/キロワットアワー、エオリア PXシリーズ夜間冷房ログデータより)。
また、同じエアコンの設定でも、外気温35℃に比べ、外気温30℃の場合には消費電力が約半分(52%ほど)になることが分かった。
エアコンは、外気温と設定温度の差が大きいほど、消費電力量が多くなるためで、「数字は機器や環境により異なりますが、少なくとも夜間は昼間よりは電気代はかかりません」としている。
さらに、パナソニックの試験で「3時間の切タイマー運転」と「つけっぱなし運転」を比べたところ、「つけっぱなし運転」は夜中に目が覚めてしまう回数とその時間が少ないことが分かった。
夜間は日中に比べ、電気代がかからない上に、「つけっぱなし運転」の場合は、夜中に目覚めてしまう回数や時間も少ないことから、夜間のエアコン「つけっぱなし」をおすすめしている。
朝までエアコンをつけっぱなしがおすすめということはわかった。では、つけっぱなしにする場合、寝室の設定温度は何度にすればいいのか?また、快適な睡眠を取るためには、 エアコンを朝までつけっぱなしにした上で、どのようなことをすればいいのか?
パナソニックの担当者に”快眠のコツ”を聞いた。
「寝室の温度は26℃~28℃」がおすすめ
――「夏の睡眠時のエアコン利用」に注目した調査を行った理由は?
夜間でも最低気温25度を下回らない熱帯夜の増加に伴い、専門家の方も「夜間の熱中症」対策を啓発しています。
就寝中は水分補給できないため、寝室の温度が高いと汗によって脱水症状が進むため、睡眠時にもエアコンを上手に活用いただきたいと考えております。
今年は特に電気代高騰の影響もあり、睡眠時のエアコン控えが起きることを懸念し、睡眠満足度を含めた、今夏の睡眠状況の実態を把握する目的で「夏の睡眠時のエアコン利用」に注目した調査を行いました。
――朝までエアコンをつけっぱなしにする場合、おすすめの設定温度は?
寝室の温度は26℃~28℃、湿度60%以下をおすすめしています。エアコンの風が、直接、体に当たり続けると冷えすぎてしまいますので、風向は一番上にし、風が直接、体に当たらないようにしましょう。
エアコンの設置位置やベッドの位置で設定温度と枕元の温度が異なる場合があるので、寝室にも「温湿度計」を置いて、お使いのパジャマや寝具に合わせて、ご自身にとって快適に眠れる温度を、目で見て確認していただくことをおすすめします。
――快適な睡眠を取るためには、エアコンを朝までつけっぱなしにした上でどのようなことをすればいい?
寝る前に照明を暗めにしておくことも大切なので、寝る前からリビングの照明などを暗めにしておくことも有効です。逆に寝る前のPCやスマホの利用は控えていただきたいです。この季節にやりがちですが、寝る前のお酒やカフェインの摂取も注意しましょう。
パナソニックがおすすめしている、夜間のエアコン「つけっぱなし」。ためらっている人は、寝苦しい夜を変えるために試してみてはいかがだろうか。