私がお伝えしたいのは「沖縄の本土復帰50年と皇室」です。

天皇皇后両陛下は15日に沖縄と東京で同時開催される記念式典に、お住まいの御所からオンラインで出席されます。両陛下は苦難の道を歩んできた沖縄に心を寄せてこられました。

ポイントはこちら。「昭和、平成、令和皇室に受け継がれる沖縄への思い」注目です。

【注目ポイント・記者解説】

今から50年前の5月15日。政府が東京で開催した復帰記念式典には、昭和天皇と香淳皇后が出席しました。

太平洋戦争で壮絶な地上戦が行われ、多くの人が犠牲になった沖縄には皇室への複雑な感情もあり、本土復帰の3年後の1975年、戦後の皇族として初めて沖縄を訪れた上皇ご夫妻(当時の皇太子ご夫妻)がひめゆりの塔を慰霊された際に、過激派から火炎瓶を投げつけられる事件も起きました。

昭和天皇は沖縄訪問を希望していたものの体調を崩し、実現には至りませんでした。上皇ご夫妻は11回訪問を重ね、遺族と向き合い、歴史や文化への理解を深めていかれました。

復帰前から始められた沖縄の子ども達との交流は、平成になると今の両陛下に、お代替わり後は秋篠宮ご夫妻へと受け継がれ、愛子さまや悠仁さまも同席されています。

2022年2月の記者会見で陛下は「今まで沖縄がたどってきた道のりを今一度見つめ直し、沖縄の地と沖縄の皆さんに心を寄せていきたいと思います」と述べられました。

本土復帰から半世紀。沖縄に心を寄せ、平和を祈る思いは、昭和、平成、令和の皇室に受け継がれています。

(フジテレビ社会部 宮崎千歳)

宮﨑千歳
宮﨑千歳

天皇皇后両陛下や皇族方が日々取り組まれる様々なご活動をより分かりやすく、現場で感じた交流の温かさもお伝えできるような発信を心がけています。
宮内庁クラブキャップ兼解説委員。1995年フジテレビジョン入社。報道局社会部で警視庁クラブなどを経て、2004年から宮内庁を担当。上皇ご夫妻のサイパン慰霊の旅、両陛下の英エリザベス女王国葬参列などに同行。皇室取材歴20年。2児の母。