9回、投手交代のアナウンスが告げられた。8回まで一人の走者も出さず、102球。あと1イニングで史上初の2試合連続完全試合達成の可能性もあったが、ロッテの佐々木朗希(20)は「途中、疲れていた部分もあったので、その中での首脳陣の判断なので納得する形で降板しました」と納得した。

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完全試合を記念した巨大パネルが設置されるなど、まだその余韻が残るスタジアム。佐々木を一目見ようと多くのファンの姿があった。チケットは完売、グッズ売り場には行列ができるなど、開始前から大注目の一戦。

1週間前の10日に20歳5カ月の史上最年少で完全試合を成し遂げ、注目を浴びて向かったマウンド。「前回よりもコントロール、球質は良くなかった」が、初回から最速163キロの直球とフォークを駆使してアウトを重ねていく。2回には清宮、近藤健介(28)を連続三振。連続イニング奪三振を、日本人投手として最長タイの「25」に伸ばした。

テンポ良く投げ、5回を終わっても、完全試合ペース。6回、3ボール2ストライク、フォアボールのピンチも空振りの三振で笑顔を見せた。

8回2死、野村佑希(21)が流し打った打球がライト線を襲った。観客がどよめく中、判定はファウル。ひやりとする場面でも、表情一つ変えず最後はこの日最速タイの163キロの直球で見逃し三振に仕留めた。井口資仁監督(47)は「素晴らしかった。先を考えると、きょうはあそこが限界」。100球を超えた球数を考慮し交代を決断した。

14個の三振を奪い、4試合連続2桁奪三振。満員の観客を集め、「選手としてすごくうれしい。毎試合そういう形になれるように頑張りたい」と次の登板に目を向けた。