自民党の作業部会が最終調整している宇宙の安全保障戦略についての提言案の全容が判明した。

防衛省・統合幕僚監部に「宇宙防衛隊」を創設して自衛隊の宇宙利用を統括し、米国宇宙軍と連携を深めるなどとしている。

提言案では、中国による沖縄県の尖閣諸島周辺での活動や南シナ海の軍事拠点化、北朝鮮の極超音速ミサイルの開発などを「我が国を取り巻く脅威」と指摘し、「中国は宇宙能力の強化も継続して進めている」としている。。

そして、「最新の宇宙技術を適切に活用して、警戒・監視能力、指揮・通信能力を強化することが必須である」と強調した。

政府は、「国家安全保障戦略」など外交・安全保障政策の根幹となる防衛戦略3文書の改定を進めているが、提言案では、さらに「国家宇宙安全保障戦略(仮称)」の策定を政府に求めている。

そして、防衛省が、「宇宙防衛隊(仮称)」を、陸海空の自衛隊の統合運用を担う統合幕僚監部に創設し、将官を指揮官にして、自衛隊の宇宙利用を統括するとしている。

さらに、米国宇宙軍との連携を深めること、宇宙作戦に携わる人員を早急に大幅に増員することなども求めている。また、宇宙予算も大幅拡充し、現在の約3倍にあたる「2000億円以上の予算」の確保するよう提言している。自民党は、22日に関係部会の会合を開催し、提言をまとめる見通しだ。