難易度の高いピアノ曲を奏でるのは…ノリ漁師の男性。50代からピアノを始め、パチンコばかりしていた人生が変わった。ノリ漁師でありながら独学で10年にわたり続けてきたピアノ。61歳になった2022年、憧れの演奏会の舞台にトライする。

妻はピアノの先生 テレビで聴いた曲をきっかけに

リスト作曲の「ラ・カンパネラ」。ごつごつとした、たくましい指で演奏している少し強面の男性、徳永義昭さん(61)。ピアノを始めたのは驚きの理由だった。

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徳永義昭さん:
趣味でパチンコばかりしていた。51歳の時に2カ月で70万円、一気に負けて。妻がいない隙に妻の財布からお金を盗もうとした。財布をあけたら中に「とるな」と書いてあった

徳永義昭さん:
それで「何をしようかな」と思っていたら、テレビでフジコヘミングさんの「ラ・カンパネラ」を聴いて。妻がピアノの先生をしているので、家にピアノがあったのでピアノ弾いてみようかなと思って。「ラ・カンパネラ」だけを最初から練習しました

ひょんなきっかけから、ピアノを弾くことになった徳永さんだが、実はノリ漁師。今はノリのシーズン真っ最中。毎日、長男と一緒に寒風吹きすさぶ有明海へ向かっている。

――今シーズンの出来は?

徳永義昭さん:
きれいか!有明一番とった!最高級のノリをとった

楽譜は読めない…その練習法は?

19歳からノリ漁を始め、この道40年以上の大ベテラン。一方、毎日海に出てもピアノの練習は欠かさない。

徳永義昭さん:
ピアノを始めて今年の4月で丸10年になります。今はノリ漁期なので、あまりできず1~2時間。夏場は暇だから5時間くらいかな

全く楽譜が読めなかった徳永さんがなぜ、難易度が高い曲をマスターしたのか。以前、その独特の練習法を教えてくれた。

――練習法は?

徳永義昭さん(2018年当時):
YouTubeの動画を一回一回止めて、鍵盤の位置を確認しながら練習しました

前回の取材(2018年)から、来る日も来る日もピアノと向き合い続け約3年。楽譜を読めるようになったのか?

徳永義昭さん:
読めない(笑)。一切、楽譜も見ないし、基礎練習もしないし

憧れの人の前で演奏 さらなるチャンスも

今でも楽譜は読めないが、最近では人気バンドの曲を地元の中学校などで披露している。

そんな徳永さんは「ラ・カンパネラ」がきっかけで2020年、あるテレビ番組の企画で憧れの人、フジコ・ヘミングさんの前での演奏がかなった。そして…。

徳永義昭さん:
今年4月28日に佐賀でフジコさんがコンサートをされるけれども、そのコンサートの前座で弾かせていただける。6月で62歳になるが、こんな人生が待っているとは思わなかった

最大のチャンスをつかんだ徳永さん。コンサート本番に向けて、練習を続けている。

(サガテレビ)

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