星野リゾートのホテルが北海道内で次々にオープンしている。
1月14日は白老町で、アイヌ文化を随所に取り入れた温泉旅館が営業を始めた。景色も温泉も食事も…趣向を凝らしたホテルに注目だ。

小樽、札幌、そして白老町にも新ホテルが続々

コロナの逆風の中、星野リゾートが道内で目をつけたのは…小樽。約90年の歴史的建造物がホテルになった。

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北日本最大の歓楽街ススキノでは、「幸せな夜更かし」をコンセプトにしたホテルが1月下旬に誕生。

そして白老町では、大自然を取り込むようにつくられた温泉旅館が誕生した。ここで体感できるアイヌ文化と料理とは?

白老町に1月14日開業した「界ポロト」。ウポポイのすぐそば、湖の向かいにできた。

北海道の自然とアイヌ文化を体感できるホテル

「界」は星野リゾートの温泉旅館のブランドで、選ばれた場所は白老駅からもウポポイからも徒歩圏内。大自然とアイヌ文化が体感できる全国で19番目の星野リゾートの温泉だ。

ホテルに入ってすぐのロビーには暖炉が待ち構え、冷えた体を温めることができる。暖炉の向かいにはポロト湖が広がり、まるで湖の上に立っているかのような気分を味わえる。

界 ポロト 遠藤 美里 支配人:
ポロト湖の懐につかる、"とんがり湯小屋の宿"をコンセプトにしています。ポロト湖から大胆に敷地内に池から引き込んでいて、館内どこにいてもポロト湖の一体感をお楽しみいただけるような施設です

この景色を一番間近で体感できるのが、アイヌの伝統的な建築法を取り入れた"とんがり湯小屋"だ。

八木 隆太郎 キャスター:
温泉は源泉かけの流しのモール温泉。芯まで温まることができます。そして、なんと内風呂から外の露天風呂がつながっていて、ポロト湖の景色が目の前に広がるんです。湯につかるとまるでポロト湖に浸かっているかのような感覚になります

「美人の湯」ともいわれるモール温泉

泉質は植物性の有機物を含んだモール温泉で、肌に潤いを与えてくれることから「美人の湯」とも言われている。

部屋は全てレイクビューの42室。
アイヌの伝統的な家=チセの中心に置かれる「炉」をイメージしたテーブルを配置した。

旅の楽しみと言えば食事。北海道の食材を生かした"会席料理"を提供する。メインのひとつは、数種類の魚介類で出汁をとったブイヤベース。毛ガニをまるごと贅沢に使用する。

贅沢な会席料理に舌鼓

八木 隆太郎 キャスター:
毛ガニやホタテといった様々な魚介の濃厚な出汁が、口に広がって幸せな気分です

館内の至るところにアイヌ模様の食器や作品が並んでいる。制作したのは白老町の工房作家・鳴海修江さんで、食事のときにスプーンなどを置く置物も作った。

輪果窯 鳴海 修江さん:
一番最初のお料理でお出しすると聞いたので、子グマのイメージで1個ずつ違うように作りました

2年前に開業したウポポイは当初、年間100万人の入場者を想定していたが、コロナ禍で目標にはほど遠く、「界ポロト」の宿泊客に期待している。

ウポポイとともにアイヌ文化も発信。「界ポロト」の役割は大きいようだ。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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