多くの名選手や名場面を生んできた全日本バレーボール高等学校選手権大会、通称「春高バレー」が、1月5日から東京体育館で始まる。

昨年同様、今年も無観客での開催となる本大会。

104校が出場する春高バレーの、注目の出場校や選手などをピックアップしていく。今回は15年連続38回目の出場となる千葉・習志野高校男子バレーボール部。

名物の吹奏楽部による応援への思いや、エース・高橋慶帆(けいはん)の素顔と、“エース”になるまでの道のりを追う。

“美爆音”が選手を後押し

“美爆音”で有名な習志野高校吹奏楽部
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習志野高校と言えば、全国的に有名なのは吹奏楽部の応援演奏だ。

“美爆音”と称された演奏は、今年も会場で響くことはなかった。

昨年に引き続き、今年も無観客で開催されることが決まったことを受け、吹奏楽部は2021年10月に壮行式を敢行。本番さながらの演奏で壮行試合を彩った。

10月の壮行式で吹奏楽部が応援演奏

吹奏楽部の部員は演奏に「みんなの心の中で応援していることを伝えたい」と思いを込め、バレー部員たちにエールを送った。

バレー部キャプテン・平山大陸(りく)も「(吹奏楽部と)一緒に戦っている。みんなが陰ながら応援してくれて勇気をもらえる。レベル100が限界のところ、吹奏楽部が来たら120まで上げてくれるような、“限界突破”させてくれる」と存在の大きさを語っていた。

絶対的エースと言われる高橋も「応援の中でプレーするのは楽しいし、モチベーションが上がる」と応援演奏が後押しになっていると明かす。

組織的なブロックと高さが武器の習志野

2021年のインターハイでベスト8の、習志野高校。昨年まで指揮を執った石田勉監督が転勤し、コーチを務めていた鈴木明典さんが新監督に就任した。

中央がエースの高橋慶帆

組織的なブロックと高さが武器の習志野高校。その攻撃の中心となる高橋は、異次元の高さを見せている。

現在、高校3年生の高橋は身長193センチ。全国トップレベルと言われる跳躍力から繰り出される最高到達点は、バスケットリングを優に超す、350センチ。

高橋自身も「高さのあるスパイク、そこに注目して欲しい」とアピールする。

身長が伸びた理由は「寝ていたから」と冗談交じりに話すなど、普段の高橋は普通の高校生だ。

休日は自宅でバレーやバスケの動画や映画鑑賞などをしているという。

世界も視野に入った“絶対的エース”

その高橋が高校バレーの名将の元で急成長し、世代を代表するエースにまで成り上がった。素顔は真面目な高橋だが、決してエリートではなく、努力を積み重ねてきた選手だ。

イラン人の父を持つ高橋は、日本で生まれ育った。名前の「慶帆(けいはん)」は、ペルシャ語の「世界」という意味が由来。しかし、その名前が好きになれない時期もあったと振り返る。

「“世界に視野を広げる”って意味を込めてつけてくれた。昔は他人と違う変わった名前だったのでイヤだった。もっとありきたりなのが良かったけれど、世界に視野を広げている中で、他になくて自分の志に合っているので気に入っている」

バレーボールに打ち込み、徐々に世界も視野に入ってくると、その名前が自分を後押ししてくれていると感じるようになった。

昨年まではミドルブロッカー(MB)だったが、今年からレフトのアウトサイドヒッター(OH)に変更。

ポジションが変わってから、参考になる同じような身長の選手が身近にいないため、現在イタリア・セリエAで活躍する石川祐希や髙橋藍の動画を見て研究しているという。スパイクの胸の開きや体重の乗せ方は、西田有志を参考にしているそうだ。

そして夏のインターハイを終えてから「日本代表に入って世界と戦うこと」が高橋の目標になり、英語の勉強にも力を入れるようになった。

一方で日本代表に入るためにはレシーブと体力・筋力が足りないと感じている高橋。日本代表を目指し始めた頃から、チームとして練習中のフォーム確認方法を変更したいと提案する。

これまではスマホで動画を撮影していたが、高橋自身が3年生になったタイミングでもうひとりのエース・藤井海嘉(みよし)と共に、監督にiPadの購入を提案。導入するとチーム全体がiPadを見て、フォームの確認をするようになったという。

高橋自身も普段の練習から1プレーごとに確認しに行くようになり、それが習慣になった。

高校から急成長、夢は「日本代表」

高橋がバレー界で注目を集めるようになったのは、高校からだった。高橋の跳躍力を当時の石田監督が一目惚れして勧誘したことで、習志野高校へ入学。そこから急成長した。

アンダーも含め、これまで一度も日の丸を着けたことがない高橋。高校1年生の時にU-18の選考合宿に入ったが、新型コロナウイルスの影響で海外との試合ができなかった。

高橋の今の一番の夢は「日本代表」。

憧れの選手はアルゼンチンのアグスティン・ロセル、石川祐希、髙橋藍らを挙げる。

エースの自覚が芽生えた高橋は、「自分が最後に打ち切る」と意気込む。そして、「東京オリンピックで石川選手の“最後打ち切るエース”として格好良かった!そういう選手を自分も目指したい」と目を輝かせる。

習志野高校は1月5日、東山高校(京都)と対戦。高橋の全国トップレベルの跳躍力に注目だ。

第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会
ジャパネット杯 春の高校バレー
https://www.fujitv.co.jp/sports/haruko/index.html