12月30日に閉園する福岡市唯一の遊園地「かしいかえん」。
週末ともなるとオープン前から長い列ができ、閉園を惜しむファンでにぎわう。取材する中で素敵な「大家族」に出会った。

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総勢10人のグループ。どんなグループか聞いてみると、なんと「4世代の家族」。
最年長は井上志津加さん、御年90歳。そして志津加さんの長男・一富士さん、その妻・千賀子さん。さらに3人の孫に、その子どもで志津加さんの4人のひ孫。

井上志津加さん:
楽しいですね。もうわたしもあれだから、歳だからね、思い出に

とても90歳とは思えない元気な志津加おばあちゃん。ひ孫を抱いて軽々と乗り込んだこの大観覧車は、思い出が詰まった乗り物だ。いったい、どんな思い出があるのか?

「やっぱり、なくならん方がいいかなと思う」

長男の一富士さんから居間に案内されると、机の上にはたくさんのアルバムが。その中に50年以上前に撮られた井上家の家族写真があった。
撮影した場所は「かしいかえん」の大観覧車の前だ。

井上一富士さん(長男):
男兄弟3人なんですよ。わたしが長男で、次男、三男、あと母ですね。90歳になる前の若かりしころの母ですね

撮影したのは、14年前に他界した志津加さんの夫・宇市さん。
当時は、日本から遠く離れた海で長い期間行う遠洋漁業に出ていて、家にはほとんどいなかったとのこと。

井上志津加さん:
主人が帰ってきたときに、時々動物園に行ったり、公園に行ったりしてましたから

千賀子さん(長男の妻):
おばあちゃん、いつもチューリップの季節とかバラの季節とか、「かしいかえんに行こう」っていつも言われますもんね

井上志津加さん:
やっぱり、なくならん方がいいかなと思うんですけどね

「かしいかえん」で撮る最後の家族写真に…

井上家にとって「かしいかえん」は、家族そろって来るところ。
園内で出会った日は、4人のひ孫と来る初めての日で、志津加さんにとって「特別な日」だった。

いつもどおり家族みんなでお弁当を囲み、いつもどおり家族みんなで遊園地を楽しみ、いつもどおり家族みんなで写真を撮った。

ただ今回ひとつ、いつもどおりではないのが、これが「かしいかえん」で撮る最後の家族写真ということだ。

井上志津加さん:
ひ孫たちが大きくなっても、ひぃおばあちゃんがおったというのが思い出してもらえるからいいですね

いろんな人のいろんな思い出が詰まった「かしいかえん」は、12月30日に65年の歴史に幕を閉じる。

(テレビ西日本)

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