福岡市の西南学院大学で3年前、たった1人の応援団として活動していた女子大学生。当時、休部状態だった大学の応援団で仲間を増やし、その後、応援団は見事に復活した。長引くコロナ禍。応援団は今、どうなっているのだろうか。

3人で持ち上げる団旗も1人で 練習や勧誘を続け…

練習に汗を流す学ラン姿の学生たち。彼らは、西南学院大学に所属する応援団の団員。後輩への熱心な指導が続くそのそばで、静かに練習を見つめる女性がいた。

法学部4年の山之内小春さん。5年近く部員が不在で休部状態だった西南学院大学の応援団を復活させたその人だ。

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2019年3月。当時1年生だった山之内さんが、1人で応援団を再開した時の様子だ。女性1人きりでの応援。広い部屋には1人の声しか響かない。

山之内小春さん(当時1年生):
さびしいですね、すごくさびしい

応援のやり方は、過去のDVDを見て研究するなど全て手探り。時には卒業生した応援団のOBに連絡をとり、指導を仰ぐこともあった。

山之内小春さん(当時1年生):
団旗あげ!あ、やばい!ちょっとでも風に吹かれると、途端にバランスが崩れる感じがして重くなります

応援団の重要な要素、団旗あげの練習。本来は3人1組で上げる団旗も、1人の力であげるしかない。

山之内小春さん(当時1年生):
落ち込むこともあるけれど、大変だとか周りにアピールしようとも思わない。1人だから、どんどん楽な方に逃げて行くことはできるけれど、そこを踏ん張ってやるのが自分との戦いかな

そして、翌年の春には新1年生に声をかけ仲間を増やそうと努力もした。

山之内小春さん(当時2年生):
応援指導部応援団なんですけど、(入るところ)もう決めました?

西南学院大・新1年生:
決めました

山之内小春さん(当時2年生):
あっ、そうなんですね。(別の新入生に)入るところ決まりました?音楽系ですか…記念に応援団も考えてみてください

コロナで自粛、引退 バッジに思いを託して

あれから2年半。4年生になった山之内さんが訪れたのは、体育館の中にある一室。

そこには学ラン姿の応援団が。1人きりだった西南応援団は、今では後輩が11人と大所帯になっていた。しかし、先頭に立つはずの山之内さんはその様子を見ているだけ。

なぜ練習に加わらないのか…。実は彼女、2021年7月に応援団を引退していた。背景にあるのは新型コロナの感染拡大だ。

新入生歓迎会など活動の見せ場でも声を出せず、運動部の試合も不参加。やっとの思いで応援団を復活させたにもかかわらず、活動の自粛を余儀なくされたまま最後を迎えていたのだ。

西南学院大4年・山之内小春さん:
3、4年生はスポーツ応援などで現地に赴くことができずに、悔しい思いをしたことが多々あった

たった1人で奮闘したあの努力の日々を思い出していた。

西南学院大4年・山之内小春さん:
何度も何度もビデオを見て練習して、苦労して…。私が手探りながらも必死に教えてきたことが、また後輩から後輩に伝わっている姿を見て感慨深かった

練習に励む後輩たちの首元に光る金色のバッジには、「応援団」の文字が彫られている。山之内さんが応援団の未来を託し、3年生1人1人にプレゼントしたものだ。

新応援団長・井上連さん:
小春前団長が上品さを兼ね備えていたので、西南応援団は上品さを兼ね備えた応援団で行こうということで。言葉遣いや一つ一つの仕種や振る舞いを常に意識しながら、後輩たちに教えていけたらと思う

西南学院大4年・山之内小春さん:
心残りは、こうすれば良かったなというのがあっても、後輩が頑張ってくれるだろうという思いがあるので、後悔は別にない。このまま頑張って、良い演舞を見せられるように努力して欲しい。応援団の未来は明るいなと感じました

自分が選び突き進んだ道は間違いではなかった。山之内さんの思いは、次の世代にしっかりと受けが継がれている。

(テレビ西日本)