イカと言えば、白色をイメージする人が多いのではないだろうか? そのような中で今、1匹だけ色が違うイカがTwitterに投稿され、話題となっている。

投稿されたのは、白いイカの群れの中でひときわ存在感を放つ全身真っ黒なイカ。他のイカと同じ種類とのことだが、1匹だけ異質な雰囲気を醸し出している。

(提供:銀鏡つかささん。撮影場所:マリンピア日本海)
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この写真をTwitterに投稿したのは全国の水族館を巡り、魅力を発信している「銀鏡つかさ」(@tsukarium)さん。

「イカがたまに見せる真っ黒いモードがカッコいい」とコメントしていることから、突然変異というわけではなく、どうやらイカ自身が色を変えたということらしい。

Twitterでも「ここまで真っ黒くなるんだ」「かっこいいです!!!」などの声があり、約2万1000件のいいねがつくなど、話題となっている。(12月14日現在)

この黒いイカが撮影されたのは、新潟県にある水族館「マリンピア日本海」と兵庫県の「城崎マリンワールド」。

(提供:銀鏡つかささん。撮影場所:城崎マリンワールド)

主に興奮すると黒くなる

イカがこんなに真っ黒になることを知らなかった人もいると思うが、なぜこのように色を変えるのだろうか? また、その仕組みは? マリンピア日本海の担当者にお話を伺った。

ーーこのイカついて教えて

標準和名「アオリイカ」学名「Sepioyeuthis lessoniana」。

軟体動物門:頭足綱:ツツイカ目:ヤリイカ科で体長約35センチ。北海道南部以南の日本全域に生息しています。春〜夏に産卵し、海岸近くの海藻や岩の隙間などに卵を産み付けます。寿命は約1年といわれており、新潟県では主に秋頃に人気の釣り対象です。


ーーなぜ黒くなるの?

主に興奮すると黒くなります。体色変化は求愛や威嚇など、同種間のコミュニケーション手段としても利用されています。イカやタコの眼は構造が複雑で無脊椎動物の中では抜群の性能をもっています。

その眼からの情報を活かして周りの色にすばやく体色を合わせて獲物や外敵に気付かれにくくすることができます。

(提供:マリンピア日本海)

ーー黒くなる仕組みを教えて

イカやタコの体色変化は皮膚の下にある「色素胞」と呼ばれる色素をもった細胞の働きによるものです。

イカやタコの色素胞は弾力性に富んだ袋状で八方を細い筋肉で吊られていて、筋肉を縮めると扁平に広がり、緩めると収縮します。この働きを素早く行うことにより、体色は瞬時に変化します。黒くなる頻度は不定です。


ーー黒くなるイカはこの種類だけ?

他の種類のイカも黒くなることもあります。

(提供:マリンピア日本海)

“白色”と“黒色”。自然界でどっちが有利?

ーー自然界では白と黒では、どちらが有利?

体色も種によって進化の過程で獲得した生きる手段だと思われます。イカが体色を変化させるのは、周囲の色に体色を合わせ気づかれにくくする、威嚇する、墨をおとりに使い自分を見失わせるなど特殊な条件下で有利な状況を作るためだと思われます。アオリイカの場合、普段の色が白なので通常は白が有利なのではないでしょうか。


ーー瞬時に色が変わるの?徐々に変わっていく?

色が変わるときと戻るときの時間は一瞬のときもあれば、徐々に変化する時もあります。

(提供:城崎マリンワールド)

ーーTwitterの投稿を見たとき、どう思った?

今回の投稿を見てイカが真っ黒になった瞬間を見逃さなかったことと、白いイカと同時に一枚の写真におさめたことが見事だと思いました。一枚の写真に多くの情報が含まれている点や、多くの人の興味を引いた点など、見習いたいです。


ーーTwitterでの反響については?

当館の展示が多くの人に届いたことを嬉しく思っています。この写真をきっかけにご自身で調べたり、実際に水族館へ足を運んで観察したりと、生物に興味を持っていただく機会が増えたらさらに嬉しいです。

また、イカは一般的によく知られた生物ですが、体色が変化することを知らなかった方もいるのではないでしょうか。ほかの生物についても、知っているようで知らないことが多くあると思います。水族館などで生物を観察するときは、これまでよりじっくり観察していただくと、新しい発見があるかもしれません。

(提供:城崎マリンワールド)

イカやタコは主に興奮したときに色素胞によって体の色を変えるという。ほとんどの人が知っているイカですら、私たちの知らない姿があるのは興味深い。