静岡・下田市を好きになり、市内で会社を立ち上げた女性が新たなスタイルで街を盛り上げようと奮闘している。
下田にハマって…埼玉出身女性が会社設立
下田市周辺の経営者を対象に開かれたセミナー。
講師を務めるのは、埼玉県出身の藤井瑛里奈さん(25)。

2020年10月に下田市や周辺地域の活性化を目指し、SNSの運用支援や人材紹介などを行う会社「しもズブ」を立ち上げた。
「しもズブ」代表・藤井瑛里奈さん:
私は下田がすごく好きなんですが、私の出身地・埼玉で周りの人に言うと「下田ってどこ?」から始まるんです。こんなにいい所なのに知られてないのはもったいないと思い、私の得意分野でもあるので、良いものを広めるための活動でサポートしていきたいと思いました

「移住しなくても地域貢献できる」
大学卒業後に、デザイナーやカメラマンとしてフリーランスの道を選んだ藤井さん。
リゾート地に滞在してテレワークで仕事をするワーケーションで、旅をしながら訪れた土地で人脈を作ったり、そこで出会ったワーケーション仲間と仕事を生み出したりしてきた。

下田市内に会社を設立したが、移住したわけではない。
日々各地を飛び回り、下田に滞在中はワーケーション施設に宿泊している。
藤井瑛里奈さん:
私の考える地方創生や地域貢献は、必ずしも移住でなくていいと思っています。例えば1人が3つの地域の関係人口だった時に、3つの場所で地域貢献が出来る。それが一番いい、今の地域貢献の仕方と考えています

地域と人をつなぐ仕事
この日は、個人事業主などを対象に動画の作成講座が開かれた。
藤井さんはワーケーションの中で知り合った、浜松市在住のアナウンサーを講師に招いた。

ワーケーションでつながった人のスキルや特徴をいかし、事業に組み込んでいく。
講師・大久保結奈さん:
(藤井さんは)地域と人をつなぐという、すごく意味のある仕事をしていると思う。私も1回下田に来て藤井さんと出会い、もう1回来たくなった。つなげているところが素晴らしい

地元業者と他県の業者をつなぐ
自らが講師となったり適任者を紹介したりするだけではなく、いま最も力を入れているのが地元企業の販路拡大だ。

地元業者:
これは、けさ漁師さんが獲って午後に水揚げされた魚。下田で一番高級と言われている、日戻りのキンメダイ。鮮度や身の張りが全然違う

山梨県の業者:
なるほど、最上級にランク付けされるものですね
この日は、山梨県で野菜の流通を行っている会社と下田の水産会社とともに打ち合わせが行われた。
地元の水産会社・渡辺大貴さん:
下田はどうしてもへき地、交通も情報も。新しい観点を持って来てくれて紹介してくれる藤井さんは、非常にありがたいです

山梨県の流通業者・西川幸希さん:
初めての者が急に(店を)訪問しても邪魔者扱いされるのが落ちですが、藤井さんにつないでもらい、(藤井さんが店と)信頼関係を築いているからスッと入っていける

広げたい“しもズブ”の輪
これまでにできた人とのつながりで街の活性化を目指すだけでなく、ワーケーションを通して自らも新たなつながりを作る藤井さん。
自分と同じように、下田に「ハマる」人たちの輪を広げるための取り組みを続けている。

「しもズブ」代表・藤井瑛里奈さん:
“しもズブ”という言葉は「下田にズブズブはまっていく」という言葉から来ています。皆が「“しもズブ”になりに来た」とか、「もう“しもズブ”だわ」という風に広まって行けばいいなと思っています

(テレビ静岡)