新潟市が都市部の活性化として掲げる『にいがた2km』。 古町エリアにある上古町地区で、古い長屋を再生した複合施設をつくり、“懐かしい”を“新しい”に変える新たなチャレンジに若手経営者が奮闘している。

新潟市が活性化に力を入れる、新たな都心軸『にいがた2km』。
その拠点の1つ、古町エリアにある上古町地区で進むのは…

この記事の画像(14枚)

飛田厚史アナウンサー:
新潟駅前周辺で進む大規模再開発の一方、こちらでは新たな複合施設が手作りされようとしています

商店街の一角で進む改装工事。

小さな複合施設 SAN・迫一成館長:
ここは、小さな複合施設SAN。カウンターのところにイスが来て、スイーツが楽しめるようになる

SANの館長として改装を手がけるのは、上古町エリアでデザイン会社を運営する迫一成さん。 
実は、この建物…

小さな複合施設 SAN・迫一成館長:
築99年の長屋だけど、結構広い。今この場所がまたよみがえるように、生きるように試行錯誤していく場所になる

この建物は、2020年7月まで飲食店が営業していたが、新型コロナウイルスの影響で閉店。せっかくの古い長屋を生かそうと、迫さんが改装にふみ切った。
施設には、カフェや生花店が入るほか、イベント用に庭を整備する計画。

古町エリアに活気を…人口増加に期待寄せる

町屋を改装した小さな複合施設。 
新潟駅の高架化工事や新たなビルの建設などが進む駅前エリアとは対照的だが、新潟市はこうした取り組みを支援する。

新潟市まちづくり推進課・草間丈智課長補佐:
取り組みの方向性として、歴史的な建造物・街並みの保存・港町文化の継承を掲げている。魅力的な店・新たな店を改修する場合、最大500万円の補助を準備している

新潟市は、市街地の再開発を誘導する一方、新潟の文化発信のため、2020年に古町エリアや花街の建物を保存・活用する方針を打ち出した。2021年に入り、建物の利活用の費用を補助する制度を新設した。

SANも総費用の1割ほどを、この補助でまかなう計画。 
さらに古町エリアにとって、こんな追い風も。 

新潟市まちづくり推進課・草間丈智課長補佐:
古町を含む都心エリアでは、マンション建設などもあり、居住人口が増加傾向。街の魅力や回遊性を向上することで、にぎわいを創出できれば

古町エリアでは現在、6棟のマンションの建設が進んでいる。
古町エリアの人口は、2015年をピークにやや減少が続いているが、これをきっかけに人口増加へ転じればと、市は期待を寄せている。

コロナで閉店からの再出発 「新潟の魅力を発信できる場所へ」

この日キッチンの下見に訪れたのは、SANに入居する出店者の1人、渡辺敏之さん。 

渡辺さんは古町エリアで約19年間、人気の洋食店を営んでいた腕利きのシェフだが…  

ティオペペ・渡辺敏之さん:  
ことしになっても客足が戻ってこないので、10月をもって閉店した

新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少し、10月に閉店を決断。今後は、SANの厨房でテイクアウトの弁当や通販用の食品キットを製造・販売する考え。

ティオペペ・渡辺敏之さん: 
パエリアのキットや開発中のスープを中心に、上古町から全国へ新潟の魅力を発信できる場所にしていきたい 

「慣れ親しんだ古町エリアから地元を発信したい」という思いを、迫さんも大切にしている。

小さな複合施設 SAN・迫一成館長:
愛着を持つ人が増える拠点だったり、青春のいろいろな思い出がここで生まれると、この街のことを大事にしてくれるかなと思う。気持ちというか、心が動くような場所になったらいい

迫さんは、そんな思いに共鳴する若手経営者を発掘し、一緒に歩み始めた。

10年ぶりに新潟へ…若手経営者の新たなチャレンジ

小さな複合施設 SAN・金沢李花子副館長: 
古着を買わないような、お金を持っていない高校生なのに、服のことを熱心に教えてくれるお店の人がいたりとか

高校時代、上古町地区で過ごすことが多かったという金沢李花子さん。
都内で雑誌の編集者として活動していたが、街づくりに携わろうと2020年に10年ぶりに新潟に戻った。

小さな複合施設 SAN・金沢李花子副館長:
何かをやりたい人が、古町でチャレンジできる場所をつくりたいと思って、妄想みたいな紙を1枚作って、迫さんから「一緒にやろう」という熱烈なオファーをいただいた

そんな街づくりへの情熱が迫さんの目にとまり、SANの副館長に抜てきされた。
施設の運営は未経験ながら、独自にクラウドファンディングを始めるなど精力的に活動。 

さらに、オープンに向けて力を入れるのが…
あられに砂糖蜜をかけた新潟の伝統的なお菓子“浮き星”が楽しめるカフェのプロデュース。

浮き星に合う煎茶を専門業者と開発するなど、商品の魅力を最大限磨く。

小さな複合施設 SAN・金沢李花子副館長:
すてきなものなので、なくなっていく一方ではなくて、わたしたち世代だからこその見せ方・楽しみ方ができると、この場所の意義ともマッチしているのかなと思う

“懐かしい”を“新しい”に変える新たなチャレンジ。 
地域への思いが詰まった、小さな複合施設 SANは12月上旬オープン予定。

(NST新潟総合テレビ)