崩落現場は本線のトンネルに資材などを運ぶための「作業用トンネル」

岐阜県中津川市でリニア中央新幹線のトンネル工事現場が崩落し、2人が死傷する事故があった。リニアの工事では初となる死亡事故の発生、事故現場では何が起きていたのだろうか。

リポート:
午後2時です。警察の車両が中へと入っていきます。これから実況見分が始まります

工事現場に入ってくる警察車両。10月27日、壁の向こうで事故が起きた。

27日午後7時20分ごろ、中津川市瀬戸のリニア中央新幹線のトンネル工事現場で崩落事故が発生。

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福井県美浜町の作業員・小板孝幸さん(44)が死亡し、愛知県長久手市の男性作業員(52)が左足などを骨折する大ケガをした。JR東海によると、リニアの工事現場で死亡事故が起きたのはこれが初めて。

品川=名古屋間で開業を目指すリニア中央新幹線。このルートは岐阜県内も通り、中津川市には中間駅の建設も予定されている。

今回、崩落が起きたのは、実際にルートとなる「本線トンネル」に資材などを運ぶために掘る「作業用トンネル」の工事現場。掘り始めから約70メートルの地点だった。

周囲を緑に囲まれた山岳部でのトンネル工事で、崩落が起きた際、何が起きたのか。

2017年8月、長野県大鹿村のリニア「南アルプストンネル」での掘削作業の様子。サイレンの後、ゴゴゴと鳴る低い音は、ダイナマイトが発破した音だ。

一般的に山岳部では、トンネル工事はダイナマイトの発破を繰り返して掘り進めていく。今回の事故で死傷した2人の作業員は、発破後の確認作業中に崩落に巻き込まれた。

この時、トンネルの中では掘削した際に表層の土砂や岩石などが落下する「肌落ち」という現象が起きていたとみられ、JR東海は国土交通省にも報告したと説明している。

事故を受け、岐阜県の古田知事は…。

岐阜県 古田肇知事:
リニアは未来に開かれた、我々にとって重要なプロジェクトですけども、やっぱり安全安心な工事をしっかりと遂行していくことが第一ですから、そういった意味で今回のような事態が生じたのは本当に残念に思っております

JR東海は「亡くなられた方、おケガをされた方にお悔やみとお見舞いを申し上げます」と謝罪。

警察は現地に実況見分に入り、業務上過失致死傷の疑いの可能性も視野に詳しく調べている。

※画像はJR東海ホームページより

(東海テレビ)

東海テレビ
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