札幌市の小学校では5月23日から順次、運動会が行われます。

 2026年は市内すべての学校で午前中のみに短縮して実施するなど「令和の運動会」は大きく変わってきています。

 「よーいどん!もっと手振って!そうそうそう」

 走って、走って、ゴールを目指す。

 札幌市内の小学校では23日から運動会シーズンが始まります。

 札幌市清田区のこの小学校では21日、陸上競技の指導者を招き「走り方教室」を行いました。

 「遅いな。スタートの足が遅い」(札幌国際大学 安井政樹准教授)

 早く走るコツを学んだ子どもたち。一等賞を狙うものだと思っていましたが…。

 「今の運動会で大事なのは人と比べてどうだったかではなくて、自分がどれだけ伸びたかが大事。だから去年の自分に勝っていればそれでOK」(安井准教授)

 この小学校では2025年、「短距離走」という名称を「全力走」に変更しました。

 全力走では順位をつけません。全力で走り切ることに重点を置いたのです。

 札幌市内ではチームを紅白に分けず対決方式にしないという小学校も出始め、リレーなどの競技を止める学校も増えてきています。

 「順位をつけることがやる気を引き出す時はいいが、それにより子どもたちがやる気を失ったら何も意味がない。人と比べてどうかではなく、自分自身がどう高まるかということが今の教育では大事」(安井准教授)

 「去年の自分よりちょっとでも速く走れたらいいなと思った」(参加した小学6年生)

 一方で負けたくないという子もいました。

 「誰よりも速く走りたいと思う。(Q:速い方がいいんだ?)はい」(参加した小学6年生)

 日本で運動会が行われるようになって約150年。

 昭和や平成の時代に小学生だった人たちは…

 「最近は差をつけてはいけないというのがあるが、でも人生、差があって当たり前だから」(70代男性)

 「賞状とかをもらえてうれしいなという気持ちがあったが…」(40代女性)

 変わってきたのは競技の在り方だけではありませんでした。

 札幌市内197すべての小学校で、2026年は午前中だけの開催となったのです。

 市教委は児童の暑さ対策や指導要領に合わせた競技の見直しなどが変更の理由だとしています。

 「お弁当楽しみだった」

 「でも自分が親になってみると逆で(午後が)ないとうれしい」(いずれも40代女性)

 「一族が全員集まっていた。大宴会だよ、昔は」(80代男性)

 『第2の宴会。花見は5月に北海道でやるがうちらの花見の2回目は6月、運動会』(当時の放送・保護者の男性)

 ビールを片手に子どもたちを応援する。かつて運動会は家族総出の一大イベントでした。

 『この日は特別な日。運動会の場所取りという1年に1度の重要な役割を担って父さんたちはこの日を迎えた』(当時の放送)

 『(Q:だいぶ前から並んでる?)(夜中の)12時20分か15分ごろ。寒かった。2時ごろから3時ごろまでが一番寒かった。ただひたすら待つだけ』(当時の放送・保護者の男性)

 少しでもいい場所で子どもを応援しようと学校の外で夜を明かし、開門と同時に…。

 場所取り合戦はまさに大人たちの運動会とも言える状況でした。

 『運動会の時の路上駐車もちょっと気になる。きのうは小学校の周りの路上駐車に迷惑した人も多かったのではないでしょうか』(当時の放送)

 学校周辺にびっしりと保護者たちの車が止まっていることもありました。

 現在では子どもたちがくじを引き、そのくじの半券をそれぞれ学校と保護者が保管。当日朝、保護者が半券を持参し、そこに書かれた番号の順に場所を選ぶ方法などがとられています。

 一方、かつての運動会ではお母さんたちが弁当を作るのに追われました。

 『お母さんのために先日札幌・厚別区では運動会のためのお弁当の講習会も開かれた』(当時の放送)

 『親戚の人も来るのでやっぱり』『子どもが喜ぶもので、きょううまくいったら作りたいと思う』(当時の放送・いずれもお弁当講習会の参加者)

 昼休みにその弁当を囲み、みんなで食べるのが運動会の楽しみのひとつでもありました。

 札幌市の隣・恵庭市では住民参加型の運動会を行う所もありました。松恵小学校です。

 「本校は午後までの開催。本校の運動会は地域・保護者・学校を含めて皆で作り上げる行事」(恵庭市立松恵小学校 土岐景輔校長)

 「運動会で披露する踊りの練習が行われていますが、付近の住民が先生役を担い、幼稚園の子どもたちも一緒に踊っています」(木村洋太記者)

 「鳴子の持ち方がバラバラ。親指をここに当てるの」(保存会の人)

 全校生徒76人。小さな学校だからこそ運動会を地域行事の一環としてとらえています。2025年も大勢の人が集まりました。

 「社会情勢や働き方改革など子どもや保護者の負担も感じているが、バランスを取りながら毎年検討を重ねて実施している。総合的に判断して午後までやるのかやらないのかを決めていきたい」(恵庭市立松恵小学校 土岐景輔校長)

 「(午後までやりたい?)うん絶対やりたい。だって競技いっぱいあるから。でも疲れるけど」

 「(お昼ご飯楽しみ?)楽しみ。お父さんの卵焼きが好き。リレーで絶対1位になる」(いずれも松恵小学校の2年生)

 教育の専門家は人手不足の教師への負担、運動会の在り方そのものなどが問題視されるようになってきたと指摘します。

 「運動会は準備・本番含めて非常に待ち時間が長い。本当に子どものためになるのか。こういう時代背景で皆で同じ時に同じことを言われたようにやるということでいいのかという疑問が出てきている」(教育評論家 親野智可等さん)

 運動会という文化は今後どうなっていくのでしょうか。

 「だんだん縮小傾向になっていって、学年ごとの『体育授業参観会』みたいな形になって、最終的にはなくなっていくのではないかと思う」(教育評論家 親野智可等さん)

北海道文化放送
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