新型コロナウイルスの影響を受ける長野市の繁華街・権堂。
そこにある一軒の居酒屋が、いわゆる「二郎系ラーメン」で新たに昼の営業を始め、苦境を乗り切ろうとしている。

苦境の居酒屋が始めた新メニュー…名前は「あつ美二郎」

極太の麺の上にキャベツとモヤシをどっさり。「二郎系ラーメン」が出来上がった。(豚骨醤油ラーメン並 750円)

この記事の画像(9枚)

「二郎系」は豚骨醤油のスープに太い麺、たっぷりの野菜やニンニクなどのトッピングが特徴のラーメンで、根強い人気がある。

客:
野菜のボリュームとか、味も濃い目でガツンと来ましたね

店があるのは長野市の繁華街・権堂。ラーメンの看板が目立つが、本業は居酒屋だ。「酔祭美酒 あつ美」は、2021年4月から新たに昼の営業を始め、ラーメンを提供している。

オーナー・小林美紀さん:
(ラーメンの名は)お店の名前が『あつ美』なので『あつ美二郎』、そのままですね。コロナで夜が静かになってきたというのもあったので、きっかけって言ったら変だけど、ここでやってみようかなって勇気が出ました

酔祭美酒 あつ美

止まらない新型コロナの感染拡大。飲食店は大きな打撃を受けている。

戻らない客足…売上は例年の1割程度まで落ち込んだ事も

2020年4月、地域の接待を伴う飲食店で感染者が確認され、多くの店が自主休業に。「あつ美」もその一つで、売上は一時 例年の1割程度まで落ち込んだという。

2020年4月取材

このため、オーナーの小林さんは長野駅前の姉妹店を閉め、「あつ美」の経営に専念。
しかし、その後も客足はなかなか戻らず、書き入れ時の年末年始は「自粛ムード」も広がった。

オーナー・小林美紀さん(2020年11月):
もう悲しい…。(常連客から)『本当は飲みに行きたいのに行っちゃいけないって言われてるからごめんね』って。感染しないようにはして努力はしてるんですけど、やっぱり不安に思う人はいると思うのでなかなか…

そして、現在の権堂。感染拡大は「第5波」を数え、度重なる時短要請の影響が残り、以前のにぎわいを取り戻せずにいる。

「あつ美」の客足は、例年の半分ほどに落ち込んだままだ。

オーナー・小林美紀さん:
時短をやって解除されて、時短をやって解除されて…解除されても戻ってくるお客さんがどんどん減っていく感じはします。昔みたいに、にぎやかな権堂じゃないような感じ

4月から始めた昼営業 オーナー「がっつり食べてもらいたい」

今、店を支えているのは4月から始めた昼の営業。
目を付けたのは、小林さんが好きな「二郎系ラーメン」だ。

オーナー・小林美紀さん:
やっぱり昼間にお客さんに来てもらうというのは必要なのかなと。昼なので、がっつり食べてもらって、元気に働いてもらえたらいい

板前の宮川さんと研究を重ねたスープ。豚足やゲンコツに鶏の足「モミジ」を加えて煮込むことで、濃厚かつさっぱりとした味わいに。

麺は特注の極太麺。茹でる前の量は並200グラム、大盛り300グラムとボリューム満点だ。

板前・宮川哲也さん:
本来、豚骨だけだと思うんですけど鶏のモミジも加えて、『二郎系』を皆さんに楽しんでもらいたいということで、ちょっとソフトに丸くしている

”アフターコロナ”を見据え…「今は耐えるしかない」

始めて半年ほどだが、すでにリピーターもいて、夜の売り上げ減少をカバーしている。

客:
おいしかったです。お昼の方が一人でふらっと来たときに寄りやすいので、ありがたい

客:
(量は)多かったですけど、食べやすくて、さらっといけちゃいました。また近くに来たときは寄りたい

「二郎系ラーメン」で窮地をしのごうとしている居酒屋。
いずれやってくる「アフターコロナ」に期待を寄せつつ、耐える日々が続く。

オーナー・小林美紀さん:
今まで『居酒屋』のあつ美を知らなかった人も、『あつ美二郎』を知って来てくれる方がいると思う。(コロナ収束後)今度は夜も来てみようとか、飲んだ後に、ここにラーメンあるよねと、そういう感じで来てくれるお客さんが増えてくれればいいかな。
今は、どこのお店もそうですけど、耐えるしかないと思うんですね。コロナが終わったときに盛り上がるようにしていきたい

(長野放送)