新型コロナウイルスの重症化を防ぐ“切り札”とされるのが「抗体カクテル療法」。
今、にわかに注目を集める「抗体カクテル療法」とは、どんな治療法なのか。

「抗体カクテル療法」はどんな治療法?

9月1日から松山市で稼働した新型コロナの臨時医療施設。
薬剤師が「抗体カクテル療法」の準備をしている。

臨時医療施設での準備の様子
臨時医療施設での準備の様子
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「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という2種類の人工的な「抗体」を混ぜ、点滴で投与する。

2種類の抗体を混ぜて点滴する
2種類の抗体を混ぜて点滴する

新型コロナウイルスは、体内で細胞と結合したあと、細胞の内部に侵入して増殖する。

コロナ感染を図説
コロナ感染を図説

「抗体カクテル療法」は、投与された2種類の「抗体」が細胞より先にウイルスと結合することで、ウイルスが細胞へ侵入するのを阻止。

抗体が細胞より先にウイルスと結合
抗体が細胞より先にウイルスと結合

体内でのウイルスの増殖を防いで、重症化や死亡のリスクを減らす。

体内でのウイルスの増殖を防ぐ
体内でのウイルスの増殖を防ぐ

ただ、十分な効果を発揮するためには、発症後1週間以内に投与することが必要。

愛媛大医学部附属病院 感染制御部長・田内久道医師:
この新型コロナウイルス感染症というのは、初めの1週間で体の中のウイルス量が一気に増えていきます。だから、体の中のウイルスがどんどん増えている初めの1週間に、この薬を投与するっていうのでないと有効性が見られない。ウイルスが増えるのを防ぐということです

重症化リスクを7割削減「非常に有効」

愛媛県内では、これまで重点医療機関で100人以上の軽症者に投与され、呼吸器の症状などに効果がみられたという。

愛媛大医学部附属病院 感染制御部長・田内久道医師:
抗体カクテル療法をしなかった人よりも、重症化になる可能性を7割減らすことができる、非常に有効で期待できるお薬だと思っています

50歳以上や基礎疾患など重症化リスクがある人を対象に、1日で10人前後の治療が可能で、9月15日現在、この臨時療養施設では22人に点滴を投与して効果が出ているという。

一方、気になる副反応については…

愛媛大医学部附属病院 感染制御部長・田内久道医師:
数は多くなくて、熱が出るとか、発疹が出るとか、ちょっと息苦しさがあるとかっていうのが、1000例に2人くらいはみられる

外来投与のネック…「24時間の健康観察」「薬の供給量」

東京ではすでに外来患者にも使用されているが、愛媛でも外来で投与することはできないのか。

愛媛大医学部附属病院 感染制御部長・田内久道医師:
外来でできれば本当にいいなと思うんですけど、1つは点滴をしている間、20~30分ぐらいで終わるんですけど、そのあと1時間は医師がきちんと観察するということと、その後24時間、健康観察をしなさいという指示があります。それをきちんと守ろうとすると、どうしても外来でというのが難しいです

全てを守ろうとすると、外来投与は難しい
全てを守ろうとすると、外来投与は難しい

愛媛では現状、観察体制が整っている宿泊療養施設での使用までとなっている。

さらにもうひとつのネックが「薬の供給量」。

愛媛大医学部附属病院 感染制御部長・田内久道医師:
問題点としては、この薬、そんなに潤沢に供給されるわけではありませんので、全員に投与できるわけではありませんので、新たに発生する患者さんの数を抑えるっていうのは、本当に基本だろうと思います

重症化を防ぎつつ、新たな感染者を抑える。
愛媛のコロナ対策の大事な両輪。

愛媛大医学部附属病院 感染制御部長・田内久道医師:
東京みたいに「酸素がいるっていう人が病院に入れない」という状況は、どうしても防がんといかん。そのためには重症者を減らしたい。その1つとしては、抗体カクテル療法もありだし、もう1つはやっぱり、新型コロナにかかる人を今の状況より増やさないというのが、医療を守る一番の方法だと思うんです

医療のひっ迫を防ぐための一手は、もう待ったなしだ。

(テレビ愛媛)