米軍が汚染水放出を強行、各方面からは憤りの声が・・・

米軍は、2021年8月26日までに人体に有害とされる有機化合フッ素化合物PFOSを含む汚染水6万4000リットル、ドラム缶にして320本分に相当する汚染水を下水道に放出したとしている。

2021年8月26日 沖縄・宜野湾市 普天間基地
2021年8月26日 沖縄・宜野湾市 普天間基地
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処理方法も決まらない中での一方的な対応に、政府内からも批判が相次いでいる。

小泉環境大臣:
日米間で協議を行っているにも関わらず、一方的にPFOSなどを含む水を放出した事は極めて遺憾であり、アメリカ側に対して強く抗議しました

岸防衛大臣:
米側に対して強く抗議すると共に、引き続き放流を止めて協議をするように働きかけをしています

沖縄県も米軍に直接抗議したが、米軍からは「長期間保管しており、災害などで流出する不安があった」などの説明がされた。

沖縄県・謝花副知事:
県民生活に不安を与えるような事をしていると認識すべきだと伝えました。こういったことが見切り発車的にされる事は、決して我々は認められない

市民:
許せない気持ちですね。米軍の判断でしかされていないので

市民:
どのぐらい影響があるのかなとか、そういうのも心配ではありますね

米軍からの一方的な通知を受け、宜野湾市は水質を確認するため、普天間基地から宜野湾市浄化センターへとつながる下水から水を採取し、分析することにしている。

県が管理する処理場ではPFOSを取り除くことは出来ず、そのまま海に流れ出ることになる。

米軍は安全性を強調 専門家の見解は…

米軍は、自前の廃水処理システムでPFOSの値を1リットルあたり2.7ナノグラム以下にして放出したと主張。これは、厚生労働省・環境省が定める暫定の規制値50ナノグラムを大きく下回っているとして安全性を強調している。

国内のPFOS研究の第一人者である京都大学の小泉昭夫名誉教授は、「一般の水道水の値、2019年の宜野湾市18.2ナノグラムと比較しても低く、環境に放出しても問題ないと思われる」としているが、この値は米軍が一方的に発表したもので検証が不可欠としている。

京都大学・医学研究科 小泉昭夫名誉教授
京都大学・医学研究科 小泉昭夫名誉教授

環境学が専門の沖縄大学の桜井国俊名誉教授は、そもそも国内には「PFOSの排出に関する規制値はなく、アメリカ軍の主張には根拠がない」と指摘する。

沖縄大学 桜井国俊名誉教授:
廃水の放流基準というのは日本にはないんですよ。ですので、基準をクリアしてるっていうのは、これはごまかしです。ここは主権国家の日本、日本の了解を得ないで勝手にやることは認められない

桜井教授は、今後、周辺海域の生き物の調査が必要だと強調する。

沖縄大学 桜井国俊名誉教授:
海に出ていって、そこで生き物の中に濃縮される。どういう形で汚染されているかを調べなければいけないと思います

子育てをする母親からは切実な声が…

子どもたちに安全な水をと自ら街頭に立ち訴えてきた、北谷町で3人の子どもを育てる仲宗根由美さんは一報を受けて…

仲宗根由美さん:
本当に酷いなって思います。私たちが今ここに生きている事を、まるで取るに足らないものかのように扱って

仲宗根さんはこれまで市民団体が開く勉強会に参加するなどして、この物質に発がん性や胎児・子どもの成長に悪影響を及ぼす恐れがあることを知り、問題を解決してほしいと声をあげてきた。
その当たり前の願いが、踏みにじられた。

仲宗根由美さん: 
私たちがただ普通に水を飲みたい、安全な食べ物を食べたい。そう思うことってそんなに贅沢なことなのかなって思います。私たちの人権を馬鹿にしないでって、本当に思います

県民の命・健康に直結する問題であり、日本政府は より詳細な説明、基地内への立ち入り調査などを求めるべきではないだろうか。

(沖縄テレビ)