臨時都議会が開会。議長は都ファから選出
小池都知事率いる都民ファーストの会(以下「都ファ」)が大勝、自民党が大惨敗した東京都議会議員選挙後、初の臨時都議会が8日に開かれた。
都ファの新人議員25人にとっては、都議会デビュー戦だ。
都議選で議会勢力は様変わりだ。
最大会派となった都ファは55議席を占め、議長から見て議席の中央を割り当てられた。
127議席のうち、女性議員は過去最多の36人。その多くは都ファの所属議員で、「百合子グリーン」を身につけた議員も多い。
第2会派の公明党は23議席で議長から見て左側に。野党に転落、第3会派となった自民党22議席は、議長から見て右側に割り当てられた。
自民党議員の多くは、緊張した面持ちの都ファの新人議員とは対照的に、憮然とした表情だ。
議会では新たな議長の選挙が行われ、これまでの自民党所属の議長に代わって、都ファの43歳と若い尾崎大介議員(北多摩3区)が選ばれた。
尾崎氏は民進党で幹事長を務め、先の都議選で都ファに鞍替えした議員だ。
討論の間、自民党からは野次が飛ぶ
もう1つのイベントは、自民、共産党などによる、築地市場の豊洲移転に関する「市場移転問題特別委員会」設置を巡る動議だった。
自民や共産党などが、「豊洲移転について肝心なことが明らかになっていない」と特別委員会の設置を求めたのに対して、都ファと公明党は、「すでに中間とりまとめが行われ、特別委員会は一定の役割を終えた」などとして反対し、動議は否決された。
しかし討論の間、自民党側から旧態依然とした野次が飛び交い、都ファ側からほとんど野次が出なかったのと対照的だった。
新人女性議員は「古いですよね」
こうした議会の様子は、新人の女性議員にどう映ったのだろうか?
今回議会デビューとなった都ファの新人議員、森澤恭子さん(品川区)に、話を聞いた。
森澤さんは元日本テレビ政治部の記者、PR会社などを経て都議になった、6歳と4歳の2児のママだ。
議会デビューを終えた森澤さんは、「都民の大きな期待をしっかりと果さなければいけないと、あらためて認識した」と語った。
ーー子育てママや女性が活躍できる社会の実現が抱負ですね。
森澤恭子都議:
いままで子育てをしている議員は、地域であまりいなかったので、お母さんなら聞いてくれるんじゃないかと、様々な声が入ってきます。そういう声は、都政に反映出来たらなと思います。
また、私が議員になったことで、都政に興味を持ったという子育てママも多かったので、そういう人たちに都議会、都政が何をやっているのか、情報発信をしていきたいなと思います。
本当に大きな期待をしてもらっているので、一歩一歩着実にスピーディにすすめていきたいです。
ーー今日が議会デビューでしたが、議場ではかなり野次も飛び交いました。どう感じましたか?
森澤都議:
非常に驚きました。私が思ったのは、言葉遣いが男性的だなと。「よし!」とか、あまり女性は言わないじゃないですか。
これまで議会では男性が多かったという歴史、風習があると思いますが、女性が多くなることで、雰囲気や進め方が変わっていくと思います。
どうやって変えることが出来るのかは、まだわかりませんが、中には脅すような言葉もあって、これでは正常な議論が出来ません。
ーー子どもたちに聞かせられませんね?
森澤都議:
古いですよね。
ーー議場を見ていると、一部の議員はふんぞり返って座っていたり、中には寝ているのか、ずっと目をつぶっている議員もいて、人の話を聞く姿勢ではありませんでした。
森澤都議:
皆、地域の代表として議会に来ているので、1人1人が重要なわけじゃないですか。その態度ってどうなのと普通に思いましたね。びっくりしました。結構カルチャーショックです。
都民は都議会の改革を望んでいる
小池都知事は今日の挨拶の中で、女性議員数が過去最多となったことに触れ、「生活者目線を備えた人が加わったことで、都民のための都政がいっそう厚みを増す」と述べた。
旧態依然とした都議会の改革を、都民が望んだ結果が今回の議会だ。
これまでの都政では、子育て世代や働く女性は、振り返られることが少なかった。
なぜいま議会勢力がこうなったのかを肝に銘じて、選ばれた議員は生活者目線を持って都政にまい進してほしい。