ワクチン大規模接種にケチつける人たち

首相官邸の発表によると、25日時点でコロナワクチンの一日の接種回数は、前の日より56万回増えて947万回となり、1000万回に近づいた。連休明けに本格化したワクチン接種もここに来てようやく軌道に乗ったようだ。

大規模接種会場
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24日、東京と大阪で始まった大規模接種。65歳になったばかりの僕の友人も東京会場で受けたが、段取りがよくスムーズに終わったとのこと。「やると決めた時の日本の現場力ってすごい」と感心していた。

この大規模接種についてはいろいろな人がケチをつけている。たとえば市区町村の分と二重予約をしてキャンセルしない人がいるので困ると自治体の首長が怒っている。苦労して「打ち手」と「打ち場所」を確保したのにドタキャンでワクチンが無駄になる。ワクチンの余りを廃棄するなと河野太郎は言うが、市長が余りを打つとメディアにつるし上げられる。

首長の怒りはごもっともだが、ワクチンは6月中旬にはダブつき始めるらしい。つまり足らないのはワクチンではなく「打ち手」「打ち場所」なので、そこは頭を切り替える必要がある。

大規模接種の予約が意外に埋まらないと批判している人もいる。高齢者は大手町まで電車で行かず、自宅で順番を待っていると言う。ホントかなあ。僕なら行くけど。確かにデジタル担当の小林史明大臣補佐官はTwitterで「5/31から6/6の予約枠にまだ余裕があります」と訴えていた。余裕があるなら高齢者以外にも早く打たなければいけない人は沢山いるのでどんどんそういう人たちに回した方がいいと思う。

内閣支持率は危険水域

これまで野党やメディアは「ワクチン敗戦」と政権を批判し、最新のFNN・産経合同世論調査でも内閣支持率は前月比マイナス9Pの43%と急落した。30%を切りそうな社もあり、自民党内では「菅首相では選挙を戦えない」という声も出ているそうだ。政府のコロナ対策を「評価しない」との回答は前回比プラス10Pの70%で、コロナ対策への不満が支持率を下げている。

FNN・産経合同世論調査より

しかしワクチン接種が軌道に乗ることで国民の間には急激に安心感が広がるのではないか。ある医師は「医療従事者への接種が進んだことにより、すでに病院のクラスターの数や規模が減った印象がある」と話していた。今後、高齢者施設での感染が減れば安心感はさらに広がるだろう。

衆院選は10/17投開票で菅氏再選?

菅政権は引き続き東京五輪を開催する構えだ。「無観客開催」が落としどころだろう。選手を含めた数万人の外国人が入国することでもちろん感染拡大のリスクはある。ただおそらくワクチン効果がそのリスクを上回るのではないか。

菅首相は強引ともいえるやり方でワクチン接種を推し進め、東京五輪も開催する。9/5にパラリンピックが閉幕した後、時を置かずに衆議院を解散し、10/10かおそらく10/17に投開票というのが自民党内でささやかれる今後のスケジュールだ。そして衆院選に勝てば菅さんは自民党総裁選でおそらく無投票で再選されることになるだろう。

このシナリオが狂うとすれば、ワクチンに絡むとんでもないトラブルが発生するか、小池都知事による五輪ドタキャンくらいか。その可能性は低いがもちろんゼロではない。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】