厚生労働省は21日、英アストラゼネカ製と米モデルナ製のワクチンを特例承認した。米ファイザー製とあわせて国内では3種類が承認された。
しかし、アストラゼネカ製はごくまれな副反応として血栓症が報告されたことから、当面は公的接種の対象から外し、対象年齢や使い方を引き続き議論することになった。

5月23日放送のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」にゲスト出演した、東京都医師会の尾崎治夫会長は、厚生労働省の判断について、ファイザー製やモデルナ製の副反応として報告されているアナフィラキシーは「接種会場で最長30分間みていればまず防げる」とする一方、血栓は「接種後、数日や1週間で起きてくる。肺の血栓症だとか脳の血栓症が起きると致命的なことになるので、副反応として扱いが難しい」と述べ「厚労省の判断は妥当」と評価した。

これに対し、番組のレギュラーコメンテーターの橋下徹氏は「僕はアストラゼネカ製でも早く打てるのだったら、打ちたいと思っていた。厚労省が承認したのであれば、僕はそこを信用して、と思ったのです。(しかし)厚労省が、リスクがある(と判断する)のだったら、やっぱり承認すべきじゃないですよ。ここがものすごく曖昧ですね」と、アストラゼネカ製を承認しながら使用しない、との厚労省の判断に苦言を呈した。

さらに橋下氏は、番組の視聴者投票「承認された3つのワクチンを選べるとしたら(総数2万3,930)」との質問に「早く打てるならどれでも良い」が21%、「接種が遅くなっても選びたい」が79%との結果に受けて、「21%という数字はものすごく大きいと思う。ここを無視して全部アストラゼネカ製はやめる、との判断は、政治として間違った判断だと思う」と続けた。

一方、番組にゲスト出演したデジタル改革担当相の平井卓也氏は「国民の希望に添えるような形で政府は対応すべきだと思う。早く打ちたいという方がいらっしゃるのであれば、対応できるように厚労省は判断すべきだろうと思う」と述べた。

以下、番組内での発言。

尾崎治夫氏:
例えばですね、モデルナですとほとんど効果も一緒ですし、アナフィラキシーもむしろ少ないですね。アナフィラキシーというのは基本的には接種会場で最長30分見ていればまず防げますし、起きたとしても(治療薬の)ボスミンを用意しておけば、それを打てば、国内でも死亡例はないわけですけど、この血栓に関しては、頻度は非常に少ないですけども、接種の当日起きるということではなくて、接種後数日とか1週間で起きてくる。肺の血栓症だとか脳の血栓症が起きますと致命的なことになりますので、副反応的には扱いが難しいということで、しばらくはその辺を十分検討するという意味で今回のような判断になったんだと思いますので、私はそれを妥当な判断ではないかなと思います。

橋下徹氏:
今、尾崎さんの話を聞いて今まで考えていたことが、ちょっとグラついてしまった。というのは、僕はアストラゼネカでも早く打てるのだったら、打ちたいと思っていた。厚労省が承認したのであれば、僕はそこを信用して、と思ったのです。(しかし)厚労省が、もし尾崎さんが言われるようにリスクがある(と判断する)のだったら、やっぱり承認すべきじゃないですよ。ここがものすごく曖昧ですね。ワクチンにはいろいろなリスクがあって、僕は自分の娘に子宮頸癌(けいがん)ワクチンを打たせています。当然、子宮頸癌ワクチンもリスクはあります。そういうこともふまえて、ほかのワクチンのリスクも考えれば、当然それはアストラゼネカのワクチンのリスクもあるだろうと。それを考えても、ワクチンにリスクがあることで、そこを考えて厚労省が承認したのであれば、僕は早く自分の仕事を自由にしたいので、早く打てるのだったら、手を挙げようと思っていたのですが、尾崎さんの話を聞くと「やめた方がいいのか」なんて、ちょっと思ったんですけどね。

梅津弥英子キャスター:
視聴者投票の結果(投票総数2万3,930)が出ました。国内で承認された3つのワクチン、選べるとしたらどうしますか、という質問に対し、「早く打てるならどれでも良い」が21%、「接種が遅くなっても選びたい」が79%。

橋下徹氏:
しかし(視聴者投票の)2割は、もう打ってもいいということであれば、これは早急に打っていった方が。これはもう国の方針としてはワクチンをとにかく国民に多く打つということが目標なわけですから、この21%を拾っていくためにも、アストラゼネカのワクチンを打ちたい人には打っていけばいいと思う。ただ、厚労省がこの中途半端な承認というのは、やめてもらってですよ。尾崎さんにお聞きしたいのは、ほかのワクチンと比較したときに、アストラゼネカのワクチンのリスクは、ほかのワクチンと比較したときに著しい高いリスクということではないんですよね。

尾崎治夫氏:
そうです。頻度的には100万人に数人というレベルですから、そういう意味では問題ないと思いますが、ただ若い方に比較的にそういうの(血栓症)が多く出ています。年代の高い方に限って打つとか、そういう形にすれば、しかも接種を望まれる方がたくさんいるのであれば、それはそれでよろしいと思います。

橋下徹氏:
そういうリスクをしっかり分析・評価をしたうえで、打てるところに打っていく。これは政治家の責任だと思うのですが、ちょっとでもリスクがあったら全部やめようというような雰囲気になっているが、(早く打ちたいと思う)この21%のところにしっかり打っていく方策を、平井さんぜひ、デジタルだから所管外だとは思うのですが、この21%という数字はものすごく大きいと思いますよ。ここを無視して、全部アストラゼネカをやめる、との判断は、政治として「間違った判断」だと思う。

平井卓也氏:
国民の希望に添えるような形で政府は対応すべきだと思う。早く打ちたいという方がいらっしゃるのであれば、対応できるように厚労省は判断すべきだろうと思います。