「長崎ちゃんぽん」を全国区の人気グルメに押し上げた、大手外食チェーンのリンガーハットが、このほど、長崎県内で高級魚「クエ」を使った新たなメニューの提供を始めた。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続く中、「まず今を生き残る」ための挑戦だ。

リンガーハットの長崎ちゃんぽん
リンガーハットの長崎ちゃんぽん
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新型コロナウイルスの影響による相次ぐ閉店

リンガーハット・米濵和英取締役会長:
創業からずっといるが、こういう事態は初めて。まず生き残ること。会社がそのためにどうするか

リンガーハットは全国で600店舗以上を展開しているが、新型コロナウイルスの感染拡大による市場環境の悪化で不採算店舗を相次いで閉店するなど苦境に立たされている。

リンガーハット・米濵和英取締役会長:
とにかく生き残らないといけない。生き残るには金が続かないといけない。節約するところは徹底的に節約して日銭をかせぐ。(感染者が)でないようにする。耐える以外ない

「クエ料理」に活路を見いだし…

自宅で食べることができる商品の開発やテイクアウトに力を注ぐなど、経営方針を模索する中、新たに挑戦するのが、長崎県内での「クエ料理」の提供だ。

高級魚「クエ」が味わえる鍋
高級魚「クエ」が味わえる鍋

テレビ長崎・藤崎玲奈記者:
身がプリプリ。脂がすごく上質、コクがある

長崎市鍛冶屋町にある卓袱料理専門店「長崎卓袱浜勝」では、刺身や湯引き、竜田揚げに鍋など、高級魚「クエ」を使った贅沢なコース料理の提供を始めた。

クエを使ったコース料理
クエを使ったコース料理

九州地方では「アラ」の名前でも知られる「クエ」は、冬の味覚としても有名な高級魚だ。
暖かい海に生息することから、長崎県は代表的な漁場の一つになっていて、九州だけでなく、東京、大阪方面にも出荷されている。

しかし、新型コロナウイルスの影響で首都圏などへの出荷が落ち込んだため、リンガーハットでは、県内での販路拡大にもつなげようと、1年間を通じて天然のクエ料理を販売することに決めた。
感染対策にも力を入れていて、料理は1人前ずつに分け、鍋は従業員が取り分けて提供する。

「長崎の名物に育て上げる」

リンガーハット・米濵和英取締役会長:
こんな良いものが長崎にあるのに、聞いてみたら食べていない人の方が多い。長崎の名物に育て上げる

メニューは3つのコースに加え、天然クエ鍋のアラカルトメニューやランチメニューもあり、クエ鍋セットの宅配も行っている。

宅配用のクエ鍋セット
宅配用のクエ鍋セット

全国区の企業の一手が、長崎全体のグルメの活性化にもつながれば…。
今後の展開に注目が集まっている。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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