果汁入りで甘酸っぱいキャンディ「さくらんぼの詩」。昔ながらの味で一度は食べたことがある人も多いかもしれないが、今、この菓子の販売終了を知らせるツイートが話題になっている。

投稿を見た人からは、懐かしむ声が多く寄せられているのだ。

【終売情報】
UHA味覚糖 さくらんぼの詩
店頭にある在庫で終了となります。
姉妹商品の「野いちご小道」「クリームソーダ」も既に終売。
1979年に発売された遠足のおやつとして人気でした。これは本当に悲しい…

このように投稿したのは、日本一のだがし売場/シカダ駄菓子岡山店(@dagashi_okayama)。根強いファンを持つ“懐かしい菓子“の生産終了の情報が入ると、これまでもSNS上で知らせてきたという。

提供:株式会社大町(日本一のだがし売場)
提供:株式会社大町(日本一のだがし売場)
この記事の画像(7枚)

昭和の時代に発売され、令和まで続いたロングセラー商品であったことから、この投稿には、「さくらんぼの詩は生産終了しちゃダメですって!!唯一無二じゃないですか!」や「また一つ思い出のお菓子が消えてゆく…」「懐かしいです、子供のとき噛み砕いてました」などと悲しんだり懐かしむ声が多く寄せられ、2万3000いいねが集まっている。(1月27日時点)

また今回の投稿では、同シリーズで1978年発売「野いちごの小道」は2018年に販売終了し、1980年頃発売「クリームソーダ」も今回で販売終了したことを知らせている。

提供:UHA味覚糖
提供:UHA味覚糖

懐かしの味がなくなってしまうということで、Twitter上では大きな反響となったが、この投稿を見て実際に訪れた客はいたのだろうか?また現在も販売しているのだろうか?
シカダ駄菓子岡山店に話を聞いた。

「通常なら2か月分くらいの在庫が1週間で無くなりました」

ーー投稿後、変化はあった?

わざわざ県外からお越しになられたり、“遠方の知人に頼まれた“とお越しになられる方もいらっしゃいます。通常なら2か月分くらいの在庫が1週間で無くなりました。


ーー反響があったことで、何か販売方法を変えたりした?

転売目的と思われるお電話もあり急遽、ご購入はお一人様1点限りに制限をさせていただきました。「終売のお知らせ」も掲示しました。

提供:株式会社大町(日本一のだがし売場)
提供:株式会社大町(日本一のだがし売場)

ーー買いに来た人の様子を教えて。

お客様から商品をよく尋ねられます。“お一人様一点限り”とお伝えすると、「もっと購入したい」とかなり残念がられます。“知人から頼まれた”という方も結構いらっしゃいます。若い方よりも少し上の、中年くらいの方が多いです。


ーー「終売になる」と知った時どう思った?

1月19日(火)に味覚糖さんに商品を注文し、1月20日(水)に終売との連絡がFAXでありました。個人的に“残念・もったいない”という思い、喪失感が強かったです。これまでたくさんの人気商品が消えてゆきましたが、そのなかでも特にそう思える商品でした。

またなによりも、もっと前にお知らせできなかったこと、特設コーナーを設けてしっかりとお別れができなかったことが申し訳なく悔やまれました。

提供:株式会社大町(日本一のだがし売場)
提供:株式会社大町(日本一のだがし売場)

ーー投稿に多くの反響が集まったけど、どう感じた?

コメントを拝見していると、祖父母や母親など家族、友達とのことを思い出し、語ってくださっている方が多数いらっしゃいます。

改めて、「思い出と共にある商品」だったんだなと、気づかされました。その大切な思い出自体が消えてしまうように感じておられるのではないでしょうか?とにかく、コメント付の引用リツイートの数が多いです。

終売の理由は”市場の変化”

やはり終売を知った人からは多くの悲しみの声が聞かれたようだが、なぜこのタイミングでロングセラー商品の「さくらんぼの詩」を終売することになったのだろうか。

販売元であるUHA味覚糖の担当者にも話を聞いてみた。

ーーなぜ「さくらんぼの詩」を終売することになった?

マーケットの変化、消費者の嗜好性の広がりなどにより販売終了とさせていただきました。


ーーどんな菓子なの?

1978年から販売しており、さくらんぼの甘い果汁とヨーグルトの酸味が感じられる、懐かしのやさしいおいしさ。噛んで食べられるクラッシュキャンディです。ファンシーなパッケージは当時若い人に反響があり、またチャック付き小袋も画期的なものでした。

提供:UHA味覚糖
提供:UHA味覚糖

ーーやはり売り上げが減少していたの?

大きく減少ということではございませんが、少しずつ減少はしておりました。


ーーいつ出荷は終了していた?

一部は1月に出荷もございましたが、2020年12月に出荷は終了しております。

理想と現実の板挟みで苦渋の決断

ーー終売が決まった時の社内の反応は?

昔からのファンが社内にも沢山いて驚き、反対意見もございました。現実(終売)と理想(ロングセラーでファンも多い)にというのに挟まれ判断が難しいものでした。

提供:UHA味覚糖
提供:UHA味覚糖

ーー終売が話題になっているけど、どう感じている?

このように話題になって、本当にありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。根強いファンがいてくださったことを改めて気づかされました。


ーーこのような反響があったことで、今後再販する予定などある?

現段階でお答えできることはございません。


今後については答えてもらえなかったが、シカダ駄菓子岡山店によると「UHA味覚糖の社長様に直接、話題になっていること、メディアの皆様も取り上げてくださっていることをお伝えすると、大変喜んでくださいました。そして再販のお願いをすると、リニューアル販売を前向きに検討してくださっている」ということで、もしかしたら復活する可能性もあるかもしれない。
 

【関連記事】
指につけると不思議な煙り…懐かしの「ようかいけむり」製造終了を惜しむ声
平成の間に懐かしの「駄菓子」が消えた...このままなくなってしまう? “駄菓子屋ハンター”に聞いた

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。