秋篠宮家の次女・佳子さまが12月29日、31歳の誕生日を迎えられた。
宮内庁は誕生日に際し、この1年間の佳子さまの活動をまとめた文書を公表した。
以下全文。
佳子内親王殿下は、12月29日(月)に満31歳のお誕生日をお迎えになります。以下に、この1年間のご様子をお伝えします。
内親王殿下は、これまでと同様に、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そしてこれらがあたりまえの社会になることを願っておられ、ご活動の際にも、この思いを胸に取り組まれています。
この1年のご活動や日々の生活を通して、より良い社会のために力を注いでおられる方々に、同じ社会に生きる一人として、心からの敬意と感謝の気持ちを持っていらっしゃると伺っています。
この1年間の内親王殿下のご活動すべてを記載することは叶いませんが、ご様子を月ごとにお伝えします。
【1月】
内親王殿下は、「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」をご覧になりました。
ポケモンという新しい切り口から考えられた、創造性あふれる工芸品を楽しまれました。
【2月】
内親王殿下は、「世界青年の船」事業に参加している13か国の代表者とお会いになりました。
毎年「世界青年の船」や「東南アジア青年の船」で訪日する参加者とお会いになっており、プログラムでの経験などをお聞きになることを楽しみにしていらっしゃいます。また、このような事業を通して、相互の理解や友情が深まり、国際理解が進むことを願っておられると伺っています。
【3月】
内親王殿下は、国賓として訪日されたブラジル連邦共和国大統領閣下および同令夫人のために天皇皇后両陛下が催された宮中晩餐に陪席なさいました。
【4月】
内親王殿下は、石川県を訪問されました。
漆芸や陶芸に携わる工芸の関係者とお会いになり、能登半島地震、豪雨により被災した当時やその後について、また、そのような中、日々努力を重ねておられることについてお聞きになり、復旧、復興を改めて強く願われたと伺っています。
また、工芸品やその製作の様子をご覧になるとともに、製作過程の一部を体験されました。
まず、被災した輪島市の朝市通りを歩かれ、被害の状況をご覧になりました。その後、「石川県立輪島漆芸技術研修所」をご訪問になり、内親王殿下が総裁をお務めになっている日本工芸会の会員と懇談されるとともに、「蒔絵」と「沈金」の授業を見学され、研修生と交流されました。
また、「石川県輪島漆芸美術館」にて、仮設工房で輪島塗のお仕事をされている方々とお話しされ、次いで、実際に輪島塗の仮設工房を訪ねられました。
翌日は、小松市で焼き物を製作している「錦山窯」と「中田錦苑窯」を見学され、能美市の「石川県立九谷焼技術研修所」では研修生と交流されました。
内親王殿下は、これまでも折に触れて石川県の伝統工芸をご覧になり、その美しさを感じてこられ、今回その地で工芸の関係者にお会いできたことをありがたく思っていらっしゃいます。
石川県の伝統工芸の魅力を改めて感じ、携わっている方々のご努力、製作に込められた思いに対し深い感銘を受けられたと伺っています。
内親王殿下は、6月のブラジルご訪問を前に、神奈川県の「JICA横浜海外移住資料館」を見学され、併せて専門家からお話をお聞きになりました。
ブラジルの歴史と社会、日本から移住した人々とその子孫の歴史、ブラジルから日本に来て生活している人々やその家族の暮らし、ブラジルでのJICAの活動について学ばれました。
また、兵庫県の「神戸市立海外移住と文化の交流センター移住ミュージアム」を見学されました。その後、「関西ブラジル人コミュニティCBK」の関係者から、関西在住ブラジル出身者の状況や課題、自身の体験談、CBKの活動内容などをお聞きになりました。また、日伯協会の関係者からお話をお聞きになり、これまでの活動や関係者の思いについて認識を深められました。
【5月】
内親王殿下は、「第34回森と花の祭典―『みどりの感謝祭』式典」に出席されました。
行事に先立って主催者から、受賞団体の説明とともに、岩手県大船渡市、岡山県岡山市、愛媛県今治市など、各地での大規模な山火事の状況についてもお聞きになり、式典のお言葉では、お見舞いを述べられました。
また、受賞者等とお話しされ、森林についての正しい理解や、森林や花を大切にする取組の重要性を改めて感じられたと伺っています。
内親王殿下は、「令和7年度全国都市緑化祭」にご出席のため、岐阜県を訪問されました。
可児市の「ぎふワールド・ローズガーデン」で開かれた式典でお言葉を述べられ、記念植樹をされました。
また、各務原市の「世界淡水魚園水族館(アクア・トト ぎふ)」では水生生物の生態などについてお聞きになり、岐阜市の「ぎふ木遊館」では子どもたちと木のおもちゃを使った遊びを楽しまれました。
可児市の「岐阜県立国際園芸アカデミー」では学生と交流されました。ご訪問を通じて、今年の「全国都市緑化祭」のテーマである「『清流の国ぎふ』から広げる自然と共生した暮らし」にもつながる様々な取組を興味深く見学されました。
【6月】
内親王殿下は、日本とブラジル連邦共和国の外交関係樹立130周年及び「日本ブラジル友好交流年」にあたり、ブラジルを訪問されました。
ブラジルの各地で多くの方々にあたたかくお迎えいただいたことを、ありがたくお思いになっています。ご訪問中のお言葉については「佳子内親王殿下のブラジルご訪問時のおことば」を、ご訪問後のご感想については「佳子内親王殿下ブラジルご訪問を終えられてのご感想」をご覧ください。
内親王殿下は、本年を契機として、両国の友好関係がさらに深まることを願っていらっしゃいます。
【7月】
内親王殿下は、ご家族の皆様とご一緒に、「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」をご覧になりました。
被爆直後から年末までの被害の状況などを伝える写真や映像をご覧になり、原爆により犠牲になられた方々をお悼みになるとともに、原爆による被害の悲惨さや平和を守ることの大切さを改めて胸に刻まれました。
写真に写っている方々のお名前と、被爆した前後やその後についてお聞きになり、お一人お一人の苦しみが深く胸に迫ったと伺いました。
内親王殿下は、先の大戦で想像を絶する苦難を経験された方々に思いを致され、亡くなられた方々へ深い哀悼の気持ちを持っていらっしゃいます。そして、戦争の悲惨さや人々の苦しみ、復興へのあゆみ、平和の大切さを伝えてこられた戦争体験者やご遺族をはじめとする方々に、心からの敬意をお持ちになっています。
また、平和な世界を実現するために様々な形で取り組んでこられた方々のご努力を、たいへん重要なこととして受け止めてこられました。
そして、これまでお聞きになった戦争についてのお話を振り返り考え続けること、世界各地の争いによる苦しみについて考え続けることの大切さを改めて感じられ、平和への思いを一層強くされました。
内親王殿下は、「ブラジル日本語センター」主催の「第9回ふれあい日本の旅」でブラジルから日本を訪れた生徒や関係者とお会いになりました。日本の訪問先での経験などについて、なごやかに懇談され、生徒による歌とダンスを楽しまれました。
内親王殿下は、静岡県御殿場市で開催された「第59回全日本高等学校馬術競技大会」の開会式に出席され、お言葉を述べられました。また、競技をご覧になり、全国から集まった選手を応援されました。その後、「高嶺の森のこども園」で、子どもたちと交流されました。
内親王殿下は、ご家族の皆様とご一緒に、沖縄から東京に取材に来た小中学生「第60次沖縄豆記者団」とお会いになりました。
冒頭では、豆記者の代表者による挨拶があり、戦後80年という節目の年、尊いたくさんの命でつながってきた今の自分たちの命の重みを胸に、豆記者として学び考え続けられる喜びを噛みしめながら取材活動に取り組みたいという思いをお聞きになりました。その後、豆記者として頑張りたいこと、沖縄の文化などについて、なごやかに懇談されました。
【8月】
内親王殿下は、秋篠宮皇嗣妃殿下とご一緒に、広島県を訪問されました。
広島市の「広島平和都市記念碑」に供花をされ、原爆で犠牲になられた方々に深い哀悼の意を表されました。
ホノルル市の子どもたちによるミュージカル「PEACE ON YOUR WINGS 〜佐々木禎子の物語〜」を鑑賞され、関係者と懇談された際には、若い世代の方々が、国を越えて、平和への願いを多くの人に届けようとしていることを、大切に思われたと伺いました。
また、「広島原爆養護ホーム舟入むつみ園」を訪問されました。入園されている方々から、戦争中の状況や、戦争は絶対にあってはならないこと、平和への思いについてお聞きになり、辛い経験を思い出しながらお話しくださったお一人お一人の言葉を胸に深く刻まれたと伺いました。また、最近の生活や楽しみ、以前のお仕事などについて懇談されました。お会いできたことを心からありがたく思われ、ご一緒できる時間を大切に過ごされたとお聞きしています。
内親王殿下は、大阪府で開催された「2025年日本国際博覧会」の会場を訪問されました。
「日本館」を見学された後、博覧会に併せて開催された「DISCOVER KOUGEI in EXPO2025」(第42回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)で、様々な伝統的工芸品の製作の様子を見学され、ご自身も「津軽塗」と「京くみひも」の製作を体験されました。
輪島塗大型地球儀「夜の地球 Earth at Night」を、4月に輪島でお会いになった工芸作家と輪島市長から説明を受けながらご覧になりました。作品に込められた思いと、そこに結集された素晴らしい技術が心に残っていると伺いました。
その後、ブラジルとペルーのパビリオンを見学されました。ブラジルは本年6月に、ペルーは外交関係樹立150周年であった2023年の11月に、それぞれ訪問されています。ご訪問のことを思い出しながら見学され、また、ご訪問時にあたたかく迎えてくださったことへの感謝の気持ちをお伝えになりました。
内親王殿下は、「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席されました。開会式では手話でお言葉を述べられ、全国から選抜された高校生の手話によるスピーチをご覧になりました。その後、出場者となごやかに懇談されました。
【9月】
内親王殿下は、悠仁親王殿下の成年式に出席されました。
内親王殿下は、たいへん熱心に勉学に励まれていた親王殿下を心から応援していらっしゃり、4月に大学に入学され、以前から興味を持ち続けていた分野について学ばれていることを、嬉しく思われていると伺っています。内親王殿下は、親王殿下が幸せに過ごされることを心から願っていらっしゃいます。
内親王殿下は、ご家族の皆様とご一緒に、琉球舞踊の「真木の会」をご覧になりました。舞に込められた祈りをお感じになりながら鑑賞されたと伺いました。「かぎやで風」の演目は、お小さいころにお稽古されたことがある舞であり、前奏が始まった時に振りを思い出され、お帰りになってから踊ってみられたそうです。
内親王殿下は、日本工芸会等が主催し、東京都で開催された「第72回日本伝統工芸展」をご覧になった後、授賞式とレセプションに出席され、作家と懇談されました。
日本工芸会に関しては、この1年間で開催された6つの部門の部会展もご覧になりました。作品を様々な角度からご覧になって変化する表情を楽しまれるとともに、作家のお話をお聞きになり、作品に施された様々な工夫を学ばれました。
内親王殿下は、鳥取県倉吉市で開催された「第12回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に出席されました。交流会では、大会に出場する全チームの代表者や関係者と懇談されました。
本大会では手話でお言葉を述べられ、コントやダンス、演劇などのパフォーマンスをご覧になりました。
また、「鳥取県立美術館」では、収蔵作品の展示をご覧になり、「『障害者の文化芸術国際フェスティバル』アール・ブリュット展in鳥取県立美術館」をご覧になって作者と懇談され、「手話通訳付き対話鑑賞」を見学されました。
湯梨浜町にある、心身の障害などにより在宅での生活が困難な人を対象とした救護施設「ゆりはま大平園」では、作業の様子をご覧になり、ボッチャに参加され、入所者が製作した陶芸品「大平焼」などをご覧になりました。
毎年、手話パフォーマンス甲子園の機会に鳥取県を訪問なさっており、様々なところを訪れ人々と交流する度に新しい魅力を感じていらっしゃると伺っています。
【10月】
内親王殿下は、秋篠宮皇嗣妃殿下とご一緒に香川県を訪問され、直島町、高松市、土庄町で「瀬戸内国際芸術祭2025」の芸術作品をご覧になりました。
高松市では、「こども図書館船 ほんのもり号」を見学され、芸術祭を支えるボランティア「こえび隊」と懇談されました。小豆島町では、母子愛育会の「愛育班員」と懇談されました。また、高松市の「国立療養所大島青松園」を訪問されました。
ご訪問前には、東京都東村山市にある「国立ハンセン病資料館」で展示をご覧になったり、関連する書籍をお読みになったりされ、ハンセン病に関わる歴史や現状を学んでいらっしゃいました。
「大島青松園」では、「納骨堂」で供花を、「南無佛」の碑と「鎮魂の碑」で拝礼をなさり、深い哀悼の意を表されました。
かつて入所者が切り開いた、瀬戸内の景色が見える道を、当時の入所者の気持ちを思いながら歩かれたと伺いました。
芸術祭にあわせて入所者や職員の話をもとに製作された作品や、園内の資料館もご覧になりました。その後、入所されている方々お一人お一人と丁寧に懇談されました。お話しいただいたことが深く心に残っているとお聞きしています。ご一緒できる時間を大切に思いながら過ごされ、お会いできたことを心から嬉しく、ありがたく思われたと伺いました。
内親王殿下は、滋賀県を2回訪問されました。「第79回国民スポーツ大会」では、バスケットボール競技をご覧になり、総合閉会式に出席されました。
「第24回全国障害者スポーツ大会」では、水泳競技とフライングディスク競技をご覧になりました。併せて、滋賀県の様々な施設を訪問されました。
米原市の「湖北みみの里」では、縫製や袋詰めなどの作業をされている、ろうや盲ろうの方々と、手話や触手話で懇談されました。
また、様々な音を知らせることで、きこえない人、きこえにくい人の生活をサポートしている聴導犬の訓練の様子をご覧になりました。
「滋賀県立伊吹高等学校」では、書道部によるパフォーマンスをご覧になった後、部員と懇談され、ホッケー部員とも交流をされました。
湖南市では、障害のある子どもを対象とした入居施設であり内親王殿下もご訪問前からご存知だった「滋賀県立近江学園」を訪問されました。
生徒から木工作品の説明を受け、生徒による演奏を鑑賞され、また、一緒に絵を描くなど、交流を楽しまれました。
甲賀市の「滋賀県立陶芸の森」では、信楽焼などの陶芸作品について説明を受けられ、子どもたちと共に絵付けをされました。
それぞれのご訪問先で、ご覧になった競技や式典の盛り上がり、パフォーマンスや演奏、作品の魅力を感じられ、お会いになった方々が取り組まれていることや楽しい交流が心に残っていると伺いました。
内親王殿下は、秋篠宮皇嗣同妃両殿下とご一緒に、「中南米日系人外務省研修生OB/OG会60周年記念訪日団」のブラジルとメキシコからの参加者にお会いになりました。
6月にブラジルでお会いになった方との再会を喜ばれ、また、新たな出会いを嬉しく思われました。このような機会を通じて、日本と両国の友好関係がさらに深まることを願っていらっしゃいます。
内親王殿下は、京都府を訪問され、日本工芸会等が主催する「第72回日本伝統工芸展京都展」をご覧になりました。
近畿地域の自然をモチーフに生み出された作品等、長い歴史の中で培われてきた技や美意識により創り出された作品の美しさに感銘を受けられたと伺いました。あわせて京都市の「松下真々庵」をご訪問になり、様々な工芸作品をご覧になりました。
また、工房「漆工芸 表悦」では、作品や製作過程についての説明をお聞きになりました。独特の塗膜の美しさを持つ漆器ができあがるまでには、作り手が繊細な技を用いて作業を進めていく多くの工程があることを興味深くお思いになったそうです。
内親王殿下は、日本テニス協会の総裁として、今年が100回目となる「全日本テニス選手権」の男子シングルスの決勝戦を観戦されるとともに、表彰式に出席されました。記念すべき大会を飾るに相応しい白熱した試合で、良いプレーの連続だったと伺いました。
内親王殿下は、ガールスカウトによる催し「ガールズメッセ2025」に出席されました。災害、暴力、虐待、貧困、そして性的マイノリティへの理解の不足などについて取り組んだ活動が表彰されました。
お言葉では、「より良い社会を目指して真摯に考え、声をあげ、行動を続けることは、エネルギーを要し、勇気がいることだと思います。皆様が強い思いをもって頑張る姿に、励まされる人が大勢いるはずです。」と述べられるとともに、ジェンダー平等を含むより良い社会の実現を願われました。
内親王殿下は、「正倉院 THE SHOW」を鑑賞されました。1300年前と同じ技法・素材で作られた再現模造をご覧になった際には、その精緻な作りと高い技術に魅入られたと伺いました。また、宝物の細部まで見られる高精細な映像が大きなスクリーンに投影された展示など、宝物の魅力を新しい形で伝える工夫をお感じになったそうです。
内親王殿下は、中近東やアフリカで支援を必要としている人々のために収益が使われる「第22回日本中近東アフリカ婦人会チャリティバザー」の会場を訪問されました。各ブースで交流をされながら、色とりどりの工夫を凝らした美しい手工芸品や特産品などを購入されました。
【11月】
内親王殿下は、「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席されました。アバターが手話で話せるようにした最新の技術など、海外の取組をご覧になり、これらの取組を進めてきたろう者と交流されました。
オープニングセレモニーでは、阿波踊り、太鼓、パフォーマンスなどを楽しまれ、その後、出演者と懇談されました。世界各地の手話や国際手話が飛び交う会場で、世界のろう者による多様な芸術に触れることができ、素敵な機会だと思われたと伺っています。
内親王殿下は、知的障害のある人や家族、支援者によって構成された団体の全国組織である「全国手をつなぐ育成会連合会」の70周年を記念する「第10回全国大会/本人大会」に出席され、お言葉を述べられました。
お言葉では、知的障害のある人と支援者によって作られたプログラムや、わかりやすい言葉で書かれたニュースが発行されていることなどの例を挙げられながら、知的障害のある人や家族の視点から暮らしやすい社会を作ろうとする育成会の活動が、社会全体をよくすることにも繋がっていると感じられたと述べられました。
事前の説明でお聞きになったご家族や関係者の長年にわたるご努力や、式典の中でお聞きになった思いのこもった「本人決議」も深く心に残られたと伺いました。その後、知的障害のある当事者の会である「東京都手をつなぐ育成会本人部会ゆうあい会」の会長、役員とご懇談になり、また、「アートギャラリー」を楽しまれました。
内親王殿下は、「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」の日本選手団の結団式に出席されました。選手や関係者がこれまで積み重ねてきた努力の成果を存分に発揮できることを願われ、応援の気持ちを込めて、手話でお言葉を述べられました。
内親王殿下は、ご家族の皆様とご一緒にデフリンピックの開会式に、お一人で閉会式に出席されました。
開会式と閉会式では、国際手話と日本手話、英語と日本語の字幕、音声など、様々な形で情報が行き交う場内で、選手や関係者、多くの観客がデフリンピックに寄せてきた思いや、大会の盛り上がりを直に感じられました。
期間中には、競技会場で空手、卓球、テニスをご覧になり、緊張感のある空気の中、迫力あふれる競技に引き込まれたと伺いました。世界から集まった関係者と、世界各地の手話や国際手話を通して交流できたことも嬉しく思われたとお聞きしました。
12月には、金メダルを獲得した日本代表の選手12名とお会いになり、各選手の活躍を心から祝福されるとともに、なごやかに懇談されました。この催しをきっかけに、スポーツへの参加においても、日常生活の中でも、みんなで一緒に情報を共有でき、一緒に楽しめるようになることを願っておられると伺っています。
内親王殿下は、「第42回伝統的工芸品月間国民会議全国大会記念式典・一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会設立50周年記念式典」に出席される予定でしたが、COVID-19に感染されたためご欠席になりました。
これまで、各地で伝統的工芸品産業に関わる方々にお会いになり、今回も、式典に出席し、関係者とお話しすることを楽しみにされていたため、出席が叶わなかったことをたいへん残念に思っていらっしゃいました。式典では、お言葉が代読されました。
【12月】
内親王殿下は、4月にも訪問された「神戸市立海外移住と文化の交流センター」を再び訪問され、同センターに拠点を置く「関西ブラジル人コミュニティCBK」の方々にお会いになりました。
ブラジルなどにルーツがある子どものための学習支援教室やポルトガル語教室を見学され、子どもたちと一緒にゲームをしたり、好きなことを聞いたりしながら、楽しく交流されました。また、先生やスタッフの方々からは、異なる言語や生活習慣の中での努力や困難、また、心を込めて支援を続けている思いについて、お聞きになったと伺っています。
言語や学習、生活のサポートの大切さを感じられるとともに、子どもたちをはじめ、海外にルーツを持つ人々が安心して幸せに暮らせることを願っておられるとお聞きしています。
内親王殿下は、みどり豊かなまちづくりの取組を進める催しである「第8回みどりの『わ』交流のつどい-都市の緑三賞表彰式-」にご出席になり、お言葉を述べられました。その後、受賞者から様々な活動について興味深くお聞きになりました。
この一年間の内親王殿下のご様子の一部をご紹介しましたが、このほかにも、海外から来られた方々とお会いになったこと、展覧会、競技会、発表大会をご覧になり関係者と交流されたことなどがありました。
内親王殿下は、この1年間を通して、お会いになった方々、お迎えくださった方々、催しの準備に当たられた方々、様々な形で支えてくださった方々や心を寄せてくださった方々へ、感謝の気持ちを持ち続けていらっしゃいます。
