スマホ首や猫背などの影響で呼吸が浅くなってしまうと、体にどんな影響が起きるのか。
フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは、呼吸の力が弱まると「内臓ポンプ」の動きが低下し、疲労感や冷え、便秘、むくみなどさまざまな不調につながる可能性があると指摘する。
著書『すごい頸椎 首・肩・腰を一気によくする』(日経BP)から、呼吸と内臓関係について一部抜粋・再編集して紹介する。
呼吸が弱いと「内臓ポンプ」も弱まる
「ふくらはぎは第2の心臓である」という言葉があります。これは、ふくらはぎの筋肉が伸び縮みすることで、重力に逆らって血液を心臓へと送り返す「ミルキングアクション」というポンプ作用があることを意味しています。
人間の体における血液を循環させるしくみは、とてもよくできています。実は、ふくらはぎと同じようなしくみが、私たちの「体幹部」にも備わっています。
横隔膜や肋間筋などの呼吸筋にも、ポンプ作用があります。ふくらはぎが下肢の血液を循環させるように、呼吸筋による「内臓ポンプ」が上肢や体幹の循環を促し、内臓の健康を支えています。
呼吸の力が弱まると、全身に行き渡る酸素の量が少なくなります。しかし問題はそれだけではありません。
呼吸の力が弱いということは、呼吸筋の働きが衰えているということで、内臓ポンプの働きが弱くなっている可能性が高いのです。すると、血液の循環が悪くなり、全身にさまざまな不調が現れます。
私たちの胴体は、横隔膜を境にして、上側の胸郭(肺や心臓がある空間)と、下側の腹腔(胃や腸などの内臓がある空間)に分かれています。
この2つの大きな違いは、周りを取り囲む「骨」があるかどうかかです。
胸郭は肋骨というカゴのような骨に守られていますが、腹腔にはそのような骨はありません。では、何が腹腔の空間を支え、内臓を正しい位置にとどめているのかというと、筋肉の壁でできたカゴである「インナーユニット」です。

