「最近疲れやすい」

そう思ったときは筋肉を刺激するような活動量が低下していたり、食生活が乱れて筋肉が減っているからかもしれない。

数々のアスリートのフィジカルトレーナーを務める中野ジェームズ修一さんの著書『疲労回復の習慣』(日経ビジネス人文庫)から、体力の正体について一部抜粋・再編集して紹介する。

筋肉が疲労耐性を左右する

「体力が落ちると疲れやすくなる」とよく見聞きします。それは事実です。

体力の正体は、体を動かすエンジンにあたる筋肉。もっと言うと、筋肉が発揮する筋力です。

エンジンの出力が小さなクルマがパワー不足により上り坂などで苦戦するように、筋肉が減ると体力が低下して疲労耐性も落ちるため、疲労と疲労感が生じやすくなります。

体力の低下を招かないためには、筋肉が減らないようにキープすることが大切。さらに1歩進み、筋肉を増やせたら体力も上がり、疲労耐性もアップグレードします。

なぜ筋肉が減るの?

体力の源となる筋肉が減ったり、増えたりするのは、どのような仕組みなのでしょうか。

筋肉は水分を除くと、ほとんどがたんぱく質からできています。筋肉をつくっているたんぱく質は、お肌などと同じように、つねに分解と合成を繰り返す新陳代謝を行っています。

体力の源は筋肉!(画像:イメージ)
体力の源は筋肉!(画像:イメージ)
この記事の画像(4枚)

筋肉の分解が合成を上回ると、筋肉が減って細くなります。筋力も落ち、体力がダウン。疲労耐性が下がって疲れやすくなります。また、筋肉は基礎代謝量の2割ほどを担っていますから、筋肉が痩せ細るとエネルギー消費が減り、太りやすくなり、余計に疲れやすくなるという悪循環に陥ります。

筋肉の分解が合成を上回り、筋肉が減少する引き金は大きく2つあります。

1つ目は、筋肉を長い間使わないこと。

わかりやすい例は骨折。片脚の骨を骨折し、ギプスで動かないようにしばらく固定してから外してみると、骨折していない健康な脚と比べて脚の筋肉は明らかに細くなります。

身体活動量が減ると、前述のように消費カロリーが低下するだけではなく、筋肉への刺激もダウン。筋肉は減ってきます。少し動いただけでも疲れやすくなり、それを避けるために動かなくなるという負のループに陥りかねません。