大分県中津市に、メニューが「からあげ」と「からあげ定食」しかない潔い食堂がある。
創業およそ60年、長年愛される名物のからあげは、秘伝のタレに2〜3日も漬け込むこだわりの逸品だ。
その唯一無二の味の秘密に迫る。
さらに、食堂から車でたった1分の場所には、思わず声が出てしまうほどの驚きの光景が…。
名物グルメと圧巻の散策スポット、その両方の魅力を紹介する。
青の洞門すぐそば「村上食堂」のからあげ
まず訪ねたのは、大分県中津市本耶馬渓町にある「村上食堂」だ。
観光名所である青の洞門の近くに店を構え、看板には「食堂 からあげ」と書かれている。テイクアウトと店内での食事が両方できる店である。

さっそく、からあげの種類について尋ねてみると、スタッフの田中さんから意外な答えが返ってきた。
ーー田中さん
「ぶつ切り1種類です。鶏1羽を全部カットしているんですよ。だからどこに当たるかは、もうその日次第です」

注文方法も自由で、「1個でもいいし、2個でもいいし、グラムでもいいし、円でも大丈夫」とのことだ。
試しに1人前を注文すると、およそ10分で完成。価格は500円であった。

商品を受け取る際、油で汚れないように紙袋をポリ袋でカバーしてくれる細やかな心配りも印象的だった。

秘伝のタレに2〜3日漬け込む”こだわりの味”
さっそく試食してみると、外側はサクッとした食感。味はしっかり付いているのに濃すぎないという、まさに絶妙なバランスである。
その秘密を尋ねると、田中さんが丁寧に教えてくれた。

ーー田中さん
「2晩寝かせてますね。りんご、しょうが、しょうゆ、にんにく、みりん、ごま油」
この秘伝のタレに2〜3日漬け込むことで、肉の芯までしっかりと味が染み込んでいるのだ。

長年通い続けるリピーターも多いそうで、取材中に話を聞いたお客さんは「初めて食べたのは40年ぐらい前。こっちに来るたびに買ってます」と話してくれた。

店を始めておよそ60年。
最初はチャンポンなども提供する食事処だったが、現在はからあげと「からあげ定食」のみにメニューを絞っている。
その”潔さ”も、この店の魅力のひとつと言えるだろう。

からあげ定食はランチタイムなし!開いている間ずっと注文OK
店内で食事ができる「からあげ定食」は、大きめのからあげ3個がメインで、ご飯もかなり多め。
定食はこの1種類だけなので、迷う必要がない。

しかも、ランチタイムといった区切りはなく、田中さんいわく「開いてる限り来てもらったら、その都度食べれます」とのことだ。
営業時間は午前9時30分から午後6時までだが、ご飯がなくなり次第終了となるため、早めの来店がおすすめである。

車で1分 川沿いの散策スポット「禅海茶屋」
続いて向かったのは、村上食堂から車でわずか1分の場所にある「禅海茶屋」。

食事や和スイーツが楽しめる人気スポットだが、店の前をよく見ると自動販売機が設置されている。
そこに書かれていたのは、なんと「鯉のえさ」の文字。

なぜ甘味処に鯉のえさの自販機があるのか。その理由をスタッフの古園さんに尋ねた。
ーー古園さん
「お店のすぐ前の山国川に鯉がたくさん泳いでいまして、当店でもえさの販売をしております。もともと店内のみで販売していたんですが、営業が終わったあとに来られたお客様がえさを買えなかったというお声をいただいて、24時間買えるように自動販売機を設置しました」
自販機から出てきたのは「麩」。たっぷりの量が入っていた。

体の幅だけで20センチ超え 川の鯉に圧倒される
古園さんに案内されて山国川沿いへ。散策できるよう整備された気持ちのいいスポットだ。川をのぞき込むと、その迫力に思わず声が出る。

古園さんは「体の幅だけでも20センチ超えてますよね。長さ1メートル弱ぐらいありますよね」と話す。大きいものではそれくらいあるという。
えさをあげてみると、大きな鯉たちが水面に群がり、その迫力はまさに圧巻の一言だ。

これからは紅葉の季節。青の洞門周辺も紅葉スポットとして知られており、禅海茶屋と合わせて訪れると一層楽しめそうだ。
また、禅海茶屋は中津の三光コスモス園にも出店しており、ソフトクリームなどが楽しめるという。鯉のえさ以外にも様々な楽しみ方があるので、詳しい情報は公式インスタグラムをチェックしてみてほしい。


