仙台市の郡和子市長の海外出張費が「高すぎる」と市議会で指摘され、市は2026年10月23日から経費の総額や内訳、成果を市のホームページで公表し始めた。郡市長は27日の会見で「無駄遣いと言われないよう」と公表の狙いを語り、今後の視察でも公開を続ける考えを示した。
3年間で7カ国に11回、総額6672万円

仙台市によると、郡市長は2023年度から昨年度までの3年間で、国際会議への出席や観光プロモーションなどのため、7カ国に計11回出張した。同行した職員の分も合わせた経費の総額は6672万円に上る。旅費や通訳代なども含まれている。
この経費は、これまで公開されていなかった。
発端は9月の市議会 「市民から見れば高すぎる」
問題が表面化したのは、今月8日に閉会した9月の市議会である。伊藤優太議員が、2025年のフランス・パリへの出張を例に挙げ、経費の妥当性について指摘した。
伊藤優太 仙台市議:
4月のパリ出張は600万円を超える、10月のパリ出張は700万円を超えています。市民から見れば高すぎるのではないか。これだけの費用をかけて本当に行く必要があるのか疑問の声が出ることも十分に考えられます。
これに対し、市の政策調整課長は、昨年度のパリ出張について次のように答えた。
仙台市 政策調整課長:
世界の都市の首長や国際団体との連携が図られ、国際社会における仙台市のプレゼンス(存在感)の向上につながったほか、フランスからの誘客に向けた足掛かりを築くことができたものと認識しています。
この議論の中で市は、市民への説明責任の観点から、経費の総額や内訳をホームページで公開する方向で検討する考えを示した。
郡市長「心を痛めていた」 定例会見で成果を強調
その後、定例会見で、郡市長は出張の意義を語った。
郡和子 仙台市長:
これから持続可能な大都市として仙台があり続けるためにも、国際的なプレゼンスの向上を図って、交流や投資を呼び込むことは重要なことだと思っております。
成果として挙げたのは、国際的な大規模イベントの開催や、タイ、香港との新規路線の就航などである。そのうえで、市民の理解を得られるよう発信していくと話した。
また、「高すぎる」との指摘については、次のように心境を明かした。
郡和子 仙台市長:
私自身はこれまで疑念が持たれるような形で出張に出ているということはなかったので、高すぎるとの指摘に、非常にある意味心を痛めていました。詳細を市民の皆さまにより分かるように説明していく必要があると考えます。
10月23日に公開開始 内訳・日程・成果を掲載
市が10月23日にホームページで公開したのは、2023年度から昨年度までの3年間分の出張費だ。経費の内訳のほか、出張の期間や日程、出張成果も掲載されている。
市は公表の狙いについて、「より詳細な情報を知らせることで、市民の一層の理解につなげたい」としている。過去の出張分も含めて公表する方針だった。
10月27日の会見で郡市長は、公表を始めた理由を次のように説明した。
郡和子 仙台市長:
市民の皆さま方に無駄遣いと言われないよう、しっかりとした形で出張に出向いているということもご理解をいただきたく思い、公表いたしました。
視察が国際会議の誘致や国際線就航などにつながっていると改めて強調し、「色んなご指摘もあったかもしれませんけれど、適切に適正に視察が行われていると申し上げたい」と述べた。今後の視察についても、経費の公開を続けるという。
1円単位で掲載の内訳 パリ出張を例に見ると
仙台市が公表した内容を見ると、例えば2025年10月のパリ出張では、郡市長を含む5人が出張し、総額729万6,722円を計上している。
内訳を詳しく見ていくと、5人分の航空費212万円のほか、通信料(Wi-Fi借り上げ代や通話料)6万1,747円、車両借り上げとして106万7,640円など、1円単位での詳細な金額が並んでいる。
内訳や日程、主な成果のほかにも、出張先での行動なども一部写真を交えてわかりやすく紹介されていた。
また、渡航の際の飛行機で郡市長はビジネスクラスを使用しているが、このことについて市は見で、「規定上ファーストクラスを使用できるが、他の政令市の状況を踏まえビジネスクラスを使用している」と説明した。
11月にはカリフォルニア州へ出張予定
市民にとっては、郡市長の海外出張にどれだけの費用がかかり、どのような成果があったのかを自ら確かめられるようになった。詳細は仙台市のホームページの「市長海外出張」から確認できる。
一方でニュースサイトのコメントやSNSなどには、「費用対効果を示してほしい」といった意見も散見される。問われているのは、出張費の内訳や成果よりも、それがどれだけ市民に還元されているのかという点だ。
郡市長は11月、観光プロモーションなどのため、アメリカ・カリフォルニア州への出張が予定されている。公開された情報を市民がどう受け止めるのか、今後の出張での経費や、どのような成果が示されるのかが注目される。

