福井が誇る冬の味覚の王者、越前がに。しかし、ふるさと納税の返礼品として越前町が提供してきた「越前がに」に、基準を満たさないカニが混入していた疑いが浮上した。町は10月1日からカニに関連する商品すべてを返礼品から除外する方針を決めたが、水産業者は「一部の業者の不祥事を全体に拡大するのは不当だ」と強く反発している。
国の認証「GI」を満たさないカニ混入の疑い
「越前がに」は、国の地理的表示保護制度(GI)に登録された地域ブランド。GIとは、特定の地域の産品であることを証明する国の制度であり、登録されることで産地の信頼性とブランド価値が守られる。
越前町はこのGI取得の「越前がに」をふるさと納税の返礼品として、町内産のカニを提供してきた。しかし今回、一部の商品においてGIの要件を満たさないカニが混入していた疑いが明らかになった。現在、農林水産省による調査が進められており、町は県とも相談のうえ対応を協議してきた。
こうした事態を受けて越前町は9月16日、町内の水産業者を集めた緊急説明会を開いた。会議は非公開で進められたが、町などによると、10月1日から町内産のカニに関連するすべての商品を返礼品から除外する方針が決まったという。
町は近く、農林水産省の調査結果も含めた事実関係を公表するとしており、その後、カニに関連する商品を返礼品として改めて申請し直す考えを示している。
「一部業者の問題。全商品除外は受け入れられない」
しかし、業者側はこの方針に強く反発した。説明会の場で業者側は、今回の問題はあくまで「一部の業者の不祥事」であり、町内すべてのカニ関連商品を返礼品から除外するという方針は「受け入れられない」と主張した。
ふるさと納税の返礼品は、地域の水産業者にとって重要な販路。シーズンを前にした除外措置は、業者にとっても大きな打撃となりかねない。業者側の反発はそうした切実な事情を訴えた。
説明会終了後、越前町は業者側の意見を「重く受け止める」とし、今後の対応を検討し直すと表明した。
農林水産省の調査結果の公表を待ちながら、町は業者との対話を続けることになる。

