列島各地で大雨災害が頻発し、冠水したアンダーパスに取り残された車で女性が死亡するなど、水没した車内で命を落とす事故が相次いでいる。
冠水路は見た目だけでは水深を判断することが難しい。大雨の日は外出を控え、車を運転しないことが大事だが、もし運転中にゲリラ豪雨に見舞われて車が冠水道路で立ち往生し、エンジンも電気系統も止まり水圧でドアが開かなくなったらどうするか。
車に「脱出用ハンマー」を常備しておくことが重要だが、もし無い場合は最終手段として「ヘッドレスト」を使った脱出方法も知っておいてほしいと専門家は話す。
広域災害危機管理アドバイザーの齊藤昌巳さんに、「ヘッドレスト」を使った緊急脱出方法と「脱出用ハンマー」を使う際の注意点を解説してもらった。
ヘッドレストで窓を割る
普段自分が乗っている車には備えていても、借りた車に脱出用ハンマーが常備されているとは限りません。そんな時に非常事態に遭遇したら、ヘッドレストで窓が割れるかもしれないので有事の際は試みてください。
手順はとても簡単です。
ヘッドレストの棒で窓を叩いても割れませんが、ドアと窓の隙間に片方の棒を差し込んで手前に引き下げると、棒がガラスを押し付けてヒビが入り、全体が割れます。
【ヘッドレストで窓を割る方法】
・窓とドアの隙間にヘッドレストの棒を1本差し込む
・上から叩きながら2センチ程度入れる
・棒が入ったらそこを軸にヘッドレストを手前に引き下げる
・ガラスにヒビが入ったらヘッドレストでガラスを外に押し出す
・窓枠に沿って全てのガラスを除去してから外に脱出する
脱出する時はガラスでけがをしないよう、窓ガラスをすべて外に押し出してから外に出てください。
車内は限られた空間ですが、ヘッドレストの棒を差し込めたら、あとは両手で下向きに押すだけなので女性にもできるはずです。
しかし、車によって使用されているガラスは異なるので、すべての車の窓ガラスが割れるわけではありません。
車種によってはヘッドレストが取り外せなかったり、ヘッドレストの棒が太くて差し込めないものもありますが、ほかに脱出の方法がない時は、最終手段としてこの方法が使えるか、側面の窓で試みてください。

