看護学校の定員割れや閉校が全国的に懸念される中、働きながら看護師を目指す幅広い年齢層の学生が増えている看護学校がある。地域医療を支える人材育成の在り方も変わりつつあるのかもしれない。
学生の4割~7割が“社会人経験者”
佐賀・唐津市の唐津看護専門学校。
ここで授業を受けているのは10代から40代までの幅広い年代の人たちだ。

高校卒業後すぐに入学した学生だけでなく、他の医療分野から看護職への転身を目指している人や主婦など、地元の“社会人経験者”も多いという。

唐津看護専門学校の市川豊子副学校長は「他の仕事を経験している人や主婦が、年によって違うが(全体の)4割から7割」と学生の現状を説明する。
現場の経験積みながら看護師を目指す
この専門学校の登校日は週3日。最短2年で看護の道へ第一歩を踏み出せるのが特徴だ。

学生が最初の2年間でまず目指すのは准看護師免許の取得。准看護師の免許取得後、8割から9割近くの卒業生が地元の医療機関などに就職する。

そのうち約6割が現場で経験を積みながら、さらに3年間学校に通い看護師へのステップアップを目指すという。

別の医療職から准看護師に転職した20代の男性:
働きながら(学校で)実際に勉強して、それをまた現場に持ち帰って、臨床経験積みながら知識を得られる
週4日は准看護師 週3日は学校
唐津看護専門学校で学び、去年から唐津市内の精神科の病院で准看護師として働いている脇山菜穂さん(43)は、この病院で調理の仕事をしていたことがきっかけで看護の仕事に興味を持ち、現在も学校に通いながら看護師を目指している。

虹と海のホスピタル 脇山菜穂さん:
自分の目で、自分のケアで患者さんの様子が良くなっていったのが分かるのは、すごくやりがいになります

脇山さんは、週3日は学校に通い、週4日は准看護師として働くという休みなしの忙しい毎日を送っている。
幅広い年代の人材育成がポイントに
この専門学校の入学者は定員の40人を3年連続で下回っていて、地域の医療を支える人材をどう確保していくのかが課題となっている。

こうした中、地域に定着している幅広い年代の学生の育成は、今後の医療を支えて行く上でポイントの1つとなっているという。

虹と海のホスピタル 宮本剛 看護部長:
慢性的な人手不足というのはありまして、ずっと頭を悩ませているのが現状です

唐津看護専門学校の市川豊子副学校長は「学生は少なくなっているが地域医療を守っていくためには頑張らざるを得ない」と厳しい現状を語る。
この専門学校の卒業生は3500人を超える。そのうち8割以上が地元で就職していて、定員割れは地域医療を支える屋台骨が揺らいでいるとも言える。

准看護師を養成する医師会運営の学校は定員割れや閉校が全国で相次いでいる。
地域の医療を支える人材確保は今後の大きな課題で、人材育成の在り方も変わらざるを得ないのかもしれない。

