子どもと話をしていて、気持ちや感じたことを聞いても「わかんない…」と返事をされ、会話が止まってしまった経験はないだろうか。
その「わかんない」は、子ども自身に考えがないわけではなく、その考えをどう言葉にすればいいかわからないからなのかもしれない。
絵本と対話を組み合わせたオンラインスクール「YOMY!」を運営する安田莉子さんは、1000人以上の子どもと対話をしてきて、「わかんない」にもさまざまな種類があることに気づいたという。
著書『個性を伸ばす絵本対話 タイアロジック・リーディング』(KADOKAWA)から一部抜粋・再編集して紹介する。
なぜ「わかんない」と答える?
子どもがすぐに「忘れちゃった」とか、「わかんない」などと答えるのは、なぜなのでしょうか。
思い返してみてください。わが子との会話が続かずに、もどかしさを感じたことはありませんか。
親「今日はどうだった?」
子「楽しかった!」
親「どうしてそう思ったの?」
子「……わかんない」
多くの保護者が、「うちの子は話したがらないタイプなのかな」「おしゃべりが好きじゃないのかも」と思っているかもしれません。
一見すると、“話す気がない”ように見えることもあるかもしれません。
けれど、実はもう一つ大事な理由があります。それは、「どう言葉にすればいいかわからない」から。
私は、子どもたちの「わかんない」は、ゆうに100通りはあると考えています。
例をあげてみます。
・何を聞かれているのかわからない「わかんない」
・どう言葉にすればいいのかがわからない「わかんない」
・どこから話せばいいのかわからない「わかんない」
・正解を探して答えが出ない「わかんない」
・気持ちがうまくまとまらずに逃げたくなる「わかんない」
・言葉にする前に恥ずかしさが先に来る「わかんない」
こうした「わかんない」が積もり積もって、だんだんと考えるのが面倒になってくることで、とりあえず「わかんない」と言ったり、「楽しかった」で済ませたり、何も言わずに沈黙でやり過ごしたりするといった“よくあるパターン”になっているのかもしれません。

