ままごとやヒーローごっこなど、幼い子どもがよくやっている「ごっこ遊び」。
ただの遊びだと思われがちだが、近年の研究では「ごっこ遊び」が子どもの実行機能や社会情動的スキルの発達につながる可能性があるという。
幼児期から学童期にかけての子どもの発達を研究する、千葉大学大学院教育学研究院教授の中道圭人さんの著書『科学的根拠に基づく「引き出す」子育て 後伸びする10歳までの育て方』(日経BP)から一部抜粋・再編集して紹介する。
ごっこ遊びが伸ばす2つの力
ここまで、小学校入学以降の学業成績などに「社会情動的スキル」や「実行機能」と呼ばれる能力が関わっていることを説明しました。
・社会情動的スキル:
他者との関係や感情の調整を行う能力。
・実行機能:
社会情動的スキルの土台でもある、目標達成のために思考や行動を調整する能力。
では、社会情動的スキルや実行機能を伸ばすために、家庭ではどんなことができるでしょうか。
その一つとして挙げられるのは「ふり遊び」です。ままごとやヒーローごっこなど、幼児期の子どもがよくやる遊びで「ごっこ遊び」と聞くと耳なじみがあるでしょう。
子どもであれば誰しもやる遊びですが、繰り返すことで子どもたちの社会情動的スキルや実行機能を発達させる可能性があります。
ごっこ遊びとは、積み木を電話に見立てて話したり、空想の世界の登場人物になりきって友達や家族と物語をつくったりするなど、実際とは異なる設定をして遊ぶことです。
ままごとやヒーローごっこも含まれます。発達心理学のこれまでの研究では、このごっこ遊びが、社会情動的スキルや実行機能を伸ばすものとして注目されています。
例えば、米ミズーリ大のレイチェル・B ・ティボドーさんらの研究(※1)を見てみましょう。
この研究では、3〜5歳の子ども110人を
・ごっこ遊びを積極的にさせる。
・ごっこ遊びも取り入れながら、通常通り保育する。
・ごっこ遊びをせず、歌やぬり絵などをする。
の3グループに分け、5週間にわたって観察しました。

