醸造文化を体験できるスポットも
また「_unga」に併設された発酵カフェでは、お酢や味噌、醤油などの味比べやみりんの煮切りなど、地元の発酵商品を用いた体験プログラムを楽しめる。
実際に米酢、穀物酢、リンゴ酢、玄米酢、粕酢の味比べをしたが、水で薄めて飲んでみたり、甘いみりんの煮切りを入れて味がどう変化するかを楽しんだり、お酢好きの私にとっては最高の体験プログラムだった。
この他にも、白たまり、濃口醤油、たまり醤油の味比べ、豆味噌、米味噌、麦味噌の味比べもオススメだ。
白たまりの味は煎り酒に近く、豆の風味を強く感じる。一方の濃口醤油はふわっと抜ける香りと少しとがった塩味が持ち味。たまり醤油は香りはあまり感じないが、豆感が強く、旨みが何倍にも濃縮されている。
味噌の方も味を楽しんだ後、温かい出汁を注いで味噌汁でいただいた。この体験プログラムの時に併せて食べた地元の伝統寿司「箱すし」はでんぶやカマボコ、絹さや、アサリ、筍、椎茸、錦糸卵など色とりどりの具材が使用されており、華やかな見た目。酢飯はちょっとビックリな甘さだが、砂糖をふんだんに使っているところも含め、豊富な具材はこの地域の豊かさを象徴している。
半田市観光協会の榊原宏事務局長によると、今後はこうした体験プログラムを軸に、地域の発酵文化を観光コンテンツにしていくという。
今の観光はただ風景を楽しむだけでなく、その地域の文化や歴史を楽しむコト消費にシフトしている。「お酢の味比べ」のような体験はここでしか味わえない特別な思い出。こうして力説しているのも、醸造文化の取材が楽しかったからだ。
なお、「_unga」が入っている建物、小栗家住宅は1870(明治3)年までに建てられた国指定の重要文化財。この建物を味わうだけでも「_unga」に行く価値がある。
篠原匡
ジャーナリスト・編集者。著書に『腹八分の資本主義』『神山 地域再生の教科書』『誰も断らない こちら神奈川県座間市生活援護課』など多数。

