正解がひとつに決まらないことも多いですし、その仕事にあった価値観や好みが入り込むことが、いい成果に結びつく場合もたくさんあります。人間関係も複雑に絡み、感情への配慮も必要になります。

そうした領域では、まだしばらく人間の出番があるでしょう。

ただし、「正解がある」領域から順番に、AIが人間を追い抜いていくことは間違いありません。

(イメージ)
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たとえば、経理です。

数字の計算や仕訳には正解があります。法務もそうです。法律の解釈や契約書のチェックにも、ある程度の正解があります。

特許出願も過去の特許との類似性判断に明確な基準があります。こうした領域では、すでにAIのほうが精度が高くなりつつあります。

「自分の仕事には正解がないから大丈夫」と思っている人も、油断はできません。

今は正解がないように見える仕事でも、AIの進化によって「実は正解があった」と判明するかもしれないからです。

『AIの時代に頭がよくなる人悪くなる人』(日経BP)

岡 瑞起(おか・みずき)
博士(工学)。千葉工業大学大学院デザイン&サイエンス研究科教授。Artificial Life Institute(人工生命国際研究機構)創設者・代表理事。

岡瑞起
岡瑞起

博士(工学)。千葉工業大学大学院デザイン&サイエンス研究科教授。Artificial Life Institute(人工生命国際研究機構)創設者・代表理事。専門は人工生命、AI、複雑系科学。生命のように自ら進化していくAI システムの研究を中心に、AI と人間が共に学び合う「Symbiotic Alignment」と、目標に縛られないAI の探究プロセスを研究する「Open-endedness」の研究を進めている。世界各地のAI 研究者・開発者と対話を重ね、AI が人間の知性をどう変えていくのか、AI 時代に人間はどう生きるべきかを、研究と現場の両方から日々考え続けている。主な著書に『AI 時代の質問力 プロンプトリテラシー』(共著、翔泳社)、『ALIFE|人工生命―より生命的なAI へ』(ビー・エヌ・エヌ)、『作って動かすALife』(共著、オライリー・ジャパン)など。