“これを見れば宮中晩さん会がわかる”特別展、「ようこそ!華麗なる宮中晩餐会の世界へ」が、9月26日から11月21日まで東京・豊島区の学習院大学のキャンパス内にある霞会館記念学習院ミュージアムで開催されている。
彬子さまが実際に着用されたロングドレスや、初めて西洋式の晩さん会が宮中で行われた当時のメニュー、明治期に使われていた磁器などが展示されている。
“日本の近代化と歩みを一にする”宮中晩さん会
天皇皇后両陛下主催の宮中晩さん会は国賓を招いて皇居・宮殿内で行われていて、最近では今年5月にフィリピン大統領夫妻が国賓として日本を訪れた際に催され、秋篠宮家の長男・悠仁さまが“デビュー”された。
展覧会を担当する学芸員の長佐古美奈子さんは、宮中晩さん会について「日本の近代化と歩を一にしている」「誰に対しても公平にもてなすという考えで変わらず催されてきたタイムカプセルのようなもの」と話す。
お代替わり後開催された宮中晩さん会は3回で、コロナ禍以降は(昼食会を含め)日本文化を見て頂きたいという両陛下のお考えのもと、メニューの一部に和食を組み込み、江戸切子のグラスで日本酒を提供するなどの工夫や、ドレスコードをゲストにあわせて柔軟に変更するなど、ゲストをもてなす細やかな気配りが重ねられている。
初めての西洋式・晩さん会のメニュー
では、宮中晩さん会ではこれまで一体どのようなメニューが提供されてきたのだろうか。
(味の素食の文化センター 食の文化ライブラリー蔵)
展覧会の会場に入るとまず、「ザリガニのスープ」や「牛フィレ肉の焼肉」など実物さながらのレプリカが目に飛び込んでくる。これは大正天皇が即位し、京都・二条城で大正4(1915)年11月17日に開催された「大饗の儀」2日目の晩さん会のメニューを再現したもので、大礼で西洋式(フランス料理)の晩さん会が開かれたのはこの時が初めてだったという。
このほか、宮中晩さん会で使用された食器や、19世紀後半に有栖川宮家、後に高松宮家で正餐に使われていたバカラのグラスや、アビラントの磁器、クリストフルのカトラリーなど煌びやかな食器も展示されている。
彬子さま着用のロングドレスが初公開
初めての西洋式の「晩さん会」から100年余り。去年3月、学習院ミュージアムのリニューアルオープン時に、テープカットをした三笠宮家の彬子さまが、今年の4月から客員研究員に着任された。
展覧会では彬子さまが現代の宮中晩さん会で着用された格式の高いイブニングドレス(=ローブ・デコルテ)が展示されている。
期間中は、2016年にベルギーのフィリップ国王夫妻を招いた晩さん会で着用されたドレスや、2017年にスペインのフェリペ6世国王夫妻を招いた晩さん会で着用された国産のシルクに淡水パールをあしらったドレスなど、週替わりで4着のドレスと、組み合わせるブラウスを替えた計5つの装いが展示され、細かな装飾など、職人の技巧を目にすることができる。
なお、10月10日には、ミュージアム講座として、彬子さまの講演会も予定されている。

